東ソー子会社マブハイビニール、上半期16%増益

東ソー88%出資、三菱商事も6%、PSE上場企業

2019/08/18

   東ソーのフィリピンにおけるソーダ製品の製造・販売子会社であるマブハイ・ビニール・コーポレーション(MVC社、フィリピン証券取引所[PSE]上場)が、8月15日、2019年上半期(1月~6月)の事業報告書を公表した。

 MVC社は1934年にマブハイラバー社として設立され、1960年に化学品、PVC製品事業を開始した。1965年から苛性ソーダ年産4千トンの生産能力で生産・販売を開始し、1966年に現在の社名に変更した。その後、フィリピンにおける苛性ソーダの需要拡大に伴い生産増強を行っており、フィリピン唯一の電解メーカーとして、その地位をより確固たるものとしてきている。2018年末の従業員数は154名である。東ソーは2015年にMVC社を子会社化、2019年6月末の保有比率は87.975%となっている。三菱商事もMVC社への出資を継続(2019年6月末で6%を保有)するとともに、原料の塩類を供給してきている。
 
 このMVC社の今上半期の売上高は前年同期比(以下同様)18.6%減の11億8,284万ペソにとどまった。減収の要因は、苛性ソーダの市況が下落したこと、前年同期が49%増収と非常に好調であったことの反動などのようである。しかし、製造コストが30.6%減の6億9,852万ペソにとどまったことで粗利益は8.5%増の4億8,431万ペソに達した。営業費用は7.9%増加したが、営業利益は9.1%増の2億5,237万ペソ、帰属純利益は15.7%増の1億9,652万ペソへ増加した。2018年の3倍超という大幅増益後の2019年も堅調に推移しているといえよう