住友鉱出資のニッケル・アジア、2日の株価50%急騰
インドネシア輸出再禁止の動きや市況5年ぶりの高値で
2019/09/03
米中摩擦激化などで、フィリピン証券取引所(PSE)において主力株の活気に乏しい動きが続く中で、9月2日、ニッケル関連企業の株価が急騰した。
ニッケル関連企業の株価急騰は、相場全体の手掛かり難のなか、インドネアシアの未加工鉱石輸出再禁止の動きやそれらに伴いLMEニッケル市況が5年ぶりの高値に高騰したこと、インドネシアの輸出再禁止の時期が早まるとの観測、ニッケル需要が電気自動車(EV)用リチウムイオン電池向けなどで増加するとの期待感が高まっていることなどを材料に人気化したことである。
9月2日のPSEにおいて、フィリピン最大のニッケル鉱山企業であるニッケル・アジア(ナック社)の株価は前日比9%高の2.99ペソで寄り付き、その後上昇ピッチを高め、ストップ高(一日の上昇率50%)の4.11ペソまで急騰、多くの買い注文を残したまま、4.11ペソでの引けとなった。また、グローバル・フェロニッケル(FNI)の終値も前日終値比14.3%高の1.68ペソ、マーク・ベンチャーズ(MARC)の終値も20.9%高の1.33ペソへと上昇した。これらにより、石油・鉱業株指数も同11.5%上昇、相場全体の動きを示すPSE指数(PSEi)の同0.8%下落とは対照的な動きとなった。
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC、本部:東京都港区)などによると、インドネシアのエネルギー鉱物資源省は今年7月、2022年に未処理鉱石の輸出を禁止する政策を再度実施に移す方針であると表明した。インドネシアでは2009年の新鉱業法施行により鉱物資源の高付加価値化政策の方向性が定められ、2014年1月から3年間、ニッケル鉱石、ボーキサイト等の未加工鉱石や一部鉱種の精鉱の輸出を禁止(銅精鉱は輸出可能)したものの、鉱業会社の収入減少等の影響により、2017年1月から鉱石・精鉱の輸出条件を5年間限定で緩和していたという経緯がある。
そして、最近、「インドネシアは品位ニッケル鉱石の再輸出禁止時期(2022年)の前倒しを検討している」と報じられたことが、9月2日のナック社の株価ストップ高につながったようである。
ナック社は世界有数のニッケル資源国であるフィリピンにおいて、最大規模のニッケル鉱石生産を行う鉱山会社である。そして、住友金属鉱山の重要な戦略パートナーとなっている。住友鉱は、ナック社に2009年に資本参加した。現時点で、100%子会社である住友金属鉱山フィリピン・ホールディングス(SMMPH)などを通じてナック社株式約26%を保有している。SMMPHは2010年に、フィリピンでのニッケル事業に関する地域統括会社として設立された。
ナック社の2019年上半期の鉱石出荷量は前年同期比(以下、同様)2%増の908万トン、収入は1%増の74億6,006万ペソと小幅ながら増収となった。ただし、ペソ対ドルレートの反騰による為替差損、グループ企業コーラルベイ・ニッケルやタガニートHPALニッケル社への投資収益赤字転落などにより、純利益は44%減の10億7,226万ペソ、帰属純利益は49%減の7億1,375万ペソと大幅減少した。 しかし、今後は、ニッケル需要の拡大、市況上昇などにより業績は回復に向かうと期待されている。
ニッケル関連企業の株価急騰は、相場全体の手掛かり難のなか、インドネアシアの未加工鉱石輸出再禁止の動きやそれらに伴いLMEニッケル市況が5年ぶりの高値に高騰したこと、インドネシアの輸出再禁止の時期が早まるとの観測、ニッケル需要が電気自動車(EV)用リチウムイオン電池向けなどで増加するとの期待感が高まっていることなどを材料に人気化したことである。
9月2日のPSEにおいて、フィリピン最大のニッケル鉱山企業であるニッケル・アジア(ナック社)の株価は前日比9%高の2.99ペソで寄り付き、その後上昇ピッチを高め、ストップ高(一日の上昇率50%)の4.11ペソまで急騰、多くの買い注文を残したまま、4.11ペソでの引けとなった。また、グローバル・フェロニッケル(FNI)の終値も前日終値比14.3%高の1.68ペソ、マーク・ベンチャーズ(MARC)の終値も20.9%高の1.33ペソへと上昇した。これらにより、石油・鉱業株指数も同11.5%上昇、相場全体の動きを示すPSE指数(PSEi)の同0.8%下落とは対照的な動きとなった。
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC、本部:東京都港区)などによると、インドネシアのエネルギー鉱物資源省は今年7月、2022年に未処理鉱石の輸出を禁止する政策を再度実施に移す方針であると表明した。インドネシアでは2009年の新鉱業法施行により鉱物資源の高付加価値化政策の方向性が定められ、2014年1月から3年間、ニッケル鉱石、ボーキサイト等の未加工鉱石や一部鉱種の精鉱の輸出を禁止(銅精鉱は輸出可能)したものの、鉱業会社の収入減少等の影響により、2017年1月から鉱石・精鉱の輸出条件を5年間限定で緩和していたという経緯がある。
そして、最近、「インドネシアは品位ニッケル鉱石の再輸出禁止時期(2022年)の前倒しを検討している」と報じられたことが、9月2日のナック社の株価ストップ高につながったようである。
ナック社は世界有数のニッケル資源国であるフィリピンにおいて、最大規模のニッケル鉱石生産を行う鉱山会社である。そして、住友金属鉱山の重要な戦略パートナーとなっている。住友鉱は、ナック社に2009年に資本参加した。現時点で、100%子会社である住友金属鉱山フィリピン・ホールディングス(SMMPH)などを通じてナック社株式約26%を保有している。SMMPHは2010年に、フィリピンでのニッケル事業に関する地域統括会社として設立された。
ナック社の2019年上半期の鉱石出荷量は前年同期比(以下、同様)2%増の908万トン、収入は1%増の74億6,006万ペソと小幅ながら増収となった。ただし、ペソ対ドルレートの反騰による為替差損、グループ企業コーラルベイ・ニッケルやタガニートHPALニッケル社への投資収益赤字転落などにより、純利益は44%減の10億7,226万ペソ、帰属純利益は49%減の7億1,375万ペソと大幅減少した。 しかし、今後は、ニッケル需要の拡大、市況上昇などにより業績は回復に向かうと期待されている。