三菱商事、フィルインベストと合弁事業

アラバンで150億ペソの複合開発へ

2019/10/04

ゴティアヌン財閥傘下の有力コングロマリットの一つフィルインベスト・ディベロップメント(FDC)の子会社であるフィルインベスト・アラバン(FAI)は、三菱商事(MC)と合弁事業契約を締結した。

 この契約遂行により、三菱商事は、FAIがアラバンのフィルインベスト・シティの中心に所有する土地約1万7,000平米の40%の所有権を有することになる。フィリピン競争委員会(PCC)の認可取得など前提条件をクリアした後、両社は、合弁会社を通じて、この土地に印象的な小売コンセプトによるAクラスのオフィススペースを特徴とする高層・多目的タワー複合施設を共同開発する。事業費は推定150億ペソ。総リース可能面積(GLA)は約18万3,000平米。FAIと三菱商事は、建築、運営・管理、都市開発分野でのお互いの経験と専門知識を共有する。

 この新規開発用地は、フィルインベスト・ディベロップメントがアラバンに所有する複合不動産(244ヘクタール)フィルインベスト・シティ内に位置し、高級住宅街「パークウェイ・アベニュー」に隣接した戦略的場所にある
(19年10月3日のフィリピン証券取引所回覧06709-2019号などより)。 

 なお、三菱商事は、日本のみならず、東南アジア、中国、米国等世界各地で不動産開発事業を展開、工業団地や商業施設、住宅、物流センターなど多岐に渡る不動産開発の知見を蓄積してきた。これまで中心だった単体の不動産開発に加え、全産業を俯瞰する総合力を活かし、産業や分野を跨ぐ横断的な複合都市開発事業を推進していく方針である。フィリピンでは、これまで、主に、センチュリープロパティーズ社(CPG)と共同でオフィスや分譲住宅事業を展開してきたが、今回はゴティアヌン財閥傘下のフィルインベストグループとの協働事業であることが注目される。