ローソン、アヤラと提携し500店体制目指す

日系最後発も9月末55店に、ファミマ76店追う

2019/10/11

 フィリピンでも、コンビニエンス・ストア業界(コンビニ業界)において再編の動きが活発化している。

 日本ブランドの比コンビニ業界の再編の動きが活発化する中で、各チェーンの店舗数の推移は以下のとおりである。ミニストップとファミリーマートは、2017年から2018年まで店舗数を減少させたが、新体制のもとで、2018年後半には店舗数減少に歯止めがかかった。2019年9月末には、ミニストップが508店となり、前月末からは減少したが、2018年9月末の496店、12月末の499店からは再増加、500店台を維持している。ファミリーマートも76店で、2018年9月末の66店、12月末の69店から再増加傾向となっている。

 日本ブランドのコンビニとしては最後発のローソンは9月末で55店(各統計などからの推定値)で、初めて50店を突破した前月末から更に2店増加、2018年9月末の36店からは19店、率にして53%の増加となっている。

 ローソンは、当初、現地の有力小売企業ピュアゴールド・プライスクラブ(ピュアゴールド)との合弁でフィリピンでのコンビニ事業を開始した。両社は、2014年5月にPGローソンを設立、出資比率はピュアゴールド70%、 ローソン(ローソン アジア・パシフィック)30%となっていた。そして、フィリピンのローソン1号店を、2015年3月30日、マニラ市サンタアナ・フランシスコ通りオープンした。その後、ピュアゴールドは、2018年4月、PGローソン株式70%をローソン側に売却した。ローソンの比コンビニ事業の保有比率は100%に高まり、社名もローソン・フィリピンへと変更されたという経緯がある。

 なお、10月10日付け日本経済新聞電子版などによると、ローソンはフィリピンのアヤラ財閥系のアヤラ・コーポレーション(アヤラコープ)傘下の物流企業と業務提携したとのことである。両社で連携し、2023年度までに現行店舗数の約10倍の500店規模を目指すとともに、ローソン店舗での商品受け取りや発送など、アヤラがグループで手掛けるインターネット通販分野でも協業を検討するとのことでもある。

 すなわち、ローソンはフィリピン事業でピュアゴールドに変わる新たなパートナーを得たことになる。一方、アヤラコープグループは、2012年にSSIグループ、株式会社ファミリーマート(ファミマ)、伊藤忠商事とともに、「フィリピン・ファミリーマートCVS社」(PFM)を設立、2013年4月にフィリピン・ファミリーマート1号店をオープン、2015年末には120店に到達した。その後、2018年初めにPFM株式を全て売却、日系コンビニ事業から一旦撤退したという経緯がある。


 主な日本ブランドのコンビニ店舗数(年末・月末値、比セブン-イレブンやファミリーマートは資本的には非日系)
年・月 15年 16年 17年 18年 19年
3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月
セブン-イレブン 1,602 1,995 2,285 2,329 2,386 2,442 2,550 2,593 2,664 N.A.
ミニストップ 519 499 496 489 488 496 499 512 518 508
ファミリーマート 120 99 66 64 65 66 69 69 73 76
ローソン 16 29 31 34 34 36 38 39 45 55(推)
 (出所:各社資料より作成、ミニストップとファミリーマートは日本側発表数値、セブン-イレブンとローソンはウェブ等から推計)