IMFの比成長率予想下方修正続く、今年5.7%に

来年6.2%へ引き下げ、今年のインフレ率1.6%と予想

2019/10/16

 国際際通貨基金(IMF)は、10月15日に 「世界経済見通し(WEO)」2019年10月版を発表した。

 このなかでIMFは「2019年の世界の経済成長率は3.0%になると見込まれる。これは2008-2009年以降では最低水準で、2019年4月の世界経済見通しから0.3%ポイントの引き下げとなる。成長率は2020年に3.4%まで回復する(4月時点の見通しに比べ0.2%ポイントの下方修正)と予測されるが、これは主に、マクロ経済的ストレス下にある中南米の新興市場国、中東、また、欧州の新興市場国や発展途上国の国々で、景気動向の改善が予測されることを反映したものである」と概括している。

 そして、「これらの国々の複数について前途が不透明である点や、中国と米国の成長鈍化が予測されること、下振れリスクが目立つことなどを鑑みると、世界の経済活動のペ ースが予想よりずっと精彩を欠く結果に終わることも十分ありえる。こうした結果を阻止するために政策では、貿易摩擦を解消し、多国間協力を再び活発にし、必要とあらばタイミング良く経済活動支援を実施することを断固として目指していかなければならない。強靭性を高めるために政策当局者は、中期的に成長にリスクをもたらす金融上の脆弱性に対処すべきである」とも警告している。

 フィリピンのGDP成長率に関しては、2018年実績6.2%に対し、2019年5.7%、2020年6.2%、2021年6.5%と予想されている。2019年予想に関しては、2018年10月時点の6.6%、2019年4月時点の6.5%、2019年7月時点の6.0%から下方修正が繰り返されている。2020年予想も、2019年7月時点の6.3%などから下方修正が続いている。2019年はついに6%を大幅に下回る予想となってしまったが、ASEAN主要国では依然ベトナム(2019年から2021年いずれも6.5%との予想)に次ぐ高い伸びである。

 フィリピンのインフレ率予想に関しては、2018年実績5.1%に対し、2019年1.6%、2020年3.0%と予想されている。