メトロバンク第3四半期49%増益、9カ月間で29%増益

総資産9.5%増の2兆3千憶ペソ、支店数950店超

2019/10/28

 当地第2位(総資産ベース)の商業銀行であるメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク、本店マニラ首都圏マカティ市)は10月25日、2019年9カ月間(1月~9月)の決算速報を発表した。

 それによると、今9カ月間の総収入は前年同期比(以下同様)17%増の800億ペソに達した。主力の融資業務などによる純金利収入が10%増の562億ペソと堅調で収入全体の70%を占めた。非金利収入は36%増の237億ペソへと二桁増加した。二桁増収の一方、効率性や生産性向上推進などで費用は9%増の429億ペソと一桁増加にとどまったことで、帰属純利益は29%増の216億ペソへと大幅増加した。特に、第3四半期(7月~9月)は49%増の85億ペソと好調であった。

 2019年9月末現在の受け入れ預金残高は前年同月末比(以下同様)2.2%増の1兆5,766億ペソ、CASA比率(預金総額総額に対する当座・普通預金の比率)は64%に上昇した。融資残高は6.5%増の1兆4,124億ペソであった。総資産は9.5%増の2兆3,293億ペソ、株主資本は9.8%増の3,047億ペソに達している。自己資本比率(CAR)は17.6%で中央銀行の最低基準10%を大幅に上回っている。補完資本(TIER2)を除いた普通株式中核自己資本比率(Tier1)は16.3%と良好で中央銀行の最低基準8.5%の2倍近くに達している。不良債権(NPL)比率は1.5%と依然低水準、NPL貸倒れ引当率は96%で今年6月末の87%から上昇している。

 メトロバンクの国内店舗数は950店超、海外拠点は30箇所超に達している。日本を始め、アメリカ、カナダ、英国、日本、韓国、シンガポール、中国、香港、台湾の主要都市に支店・現地法人を展開している。設置ATM台数は2,300台超。本店には2002年よりジャパンデスクを設置済み。現在同デスクは、日本人3名を含む総勢約20名以上の陣容となっている。在日拠点は東京支店(設置:1996年3月、フィリピン銀行としての初の日本進出)、大阪出張所(設置:1998年12月)の2拠点となっている。
 
 日系中堅中小企業のフィリピン進出・投資が増加しており、メトロバンクは日本の政府系金融機関2行(日本政策金融公庫・国際協力銀行=JBIC)と地域金融機関65行との間で、日系企業のフィリピン進出支援について提携しており、ほぼ日本全国の地域金融機関が窓口になる。地域金融機関は個別提携22行、国際協力銀行(JBIC)を通じた提携45行(重複行あり)となっている(19年10月25日のフィリピン証券取引所回覧07414-2019号などより)。