比ヤクルト1日322万本販売、海外第4位継続

CSRも推進、地域断水時に工場用水無償提供等

2019/11/13

 2019年11月12日発表のヤクルト本社2020年3月期第2四半期(2019年7月1日~2019年9月30日)決算補足説明資料によると、2019年1月~9月のフィリピンヤクルトの一日当り販売数量(速報値)は前年同期に比べて4.1%増の322万2千本に達した。海外市場では中国の815万6千本、インドネシアの620万4千本、メキシコの387万7千本に次ぐ世界第4位で、韓国の315万6千本を上回っている。

 フィリピンでの1日平均販売数量は、2014年から2018年まで5年連続の二桁増を記録するとともに、世界の主要市場でトップクラスの伸び率を継続している。そして、2007年に同100万3千本と百万本の大台突破、2015年に同213万9千本で二百万本突破、2018年は三百万本台突破と順調に拡大している。需要増に対応すべく、ミンダナオ島に第2工場を建設しつつある。

 フィリピンでは、ヤクルト本社が40%出資するフィリピン ヤクルト(持分法適用会社)が、1978年10月から営業を行っている。すなわち、2018年に40周年を迎えたのである。ヤクルトの海外発売時期としては、1964年の台湾、1968年のブラジル、1969年の香港、1971年の韓国とタイに次ぐ歴史を有している。現在は、ヤクルトとヤクルトライトを製造販売している。フィリピン ヤクルト2018年末の従業員数は1,394人、ヤクルトレディは3,623人、取引店は16万5,546店に達している。

 フィリピン ヤクルトはヤクルト本社と同様、CSR活動(社会活動)も推進している。例えば、水資源の利用効率化を図るとともに、地域の上水道異常時には、工場用水を無償提供している。フィリピン ヤクル工場周辺の上水道設備はいまだ不備が 多く、断水・濁水がしばしば発生している。このため、上水道異常発生時に、工場用水を無償で地域の住民に提供し少しでも生活に貢献できるようにしている。

 なお、ヤクルトは、今年8月に、ミャンマーで「ヤクルト」の製造販売を開始し、ヤンゴン市を中心に販売を開始した。ヤンゴン市およびその周辺での販売状況に応じて、順次、販売地域を広げていく。 ミャンマーが加わったことで、日本を含む40の国と地域に販売網が拡大した。


          ヤクルト海外乳製品売上数量(1日当たり本数)  (単位:千本/日、%) 

国名 連結
区分
2019年1月~9月(速報値)
売上数量 前年同期比伸び率
フィリピン 持分法 3,221 4.2
台湾 持分法 706 -6.5
香港 連結 535 -3.6
タイ 持分法 2,201 -3.9
韓国 持分法 3,156 -5.7
シンガポール 連結 228 -0,9
インドネシア 連結 6,204 8.3
オーストラリア 連結 252 2.3
マレーシア 連結 359 4.0
ベトナム 連結 517 43.4
インド 連結 245 11.9
中東 連結 18 11.5
ミャンマー 連結 2 N.A
中国 連結 8,156 1.1
アジア・オセアニア計
(連 結 合 計)
25,803 2.2
16,518 4.7
 
ブラジル 連結 1,562 -7.3
メキシコ 連結 3,877 0.3
米国 連結 377 12.2
米州計 5,816 -1.2
 
ヨーロッパ計 609 -4.5
 
合        計
(連 結 合 計)
32,228 1.4
22,943 2.9
(出所:ヤクルト本社の連結決算発表補足資料より)


                   フィリピンヤクルトの1日当たり販売数量推移     (単位:千本、%)

06年 07年 08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年
数量 948 1,003 1,217 1,299 1,220 1,295 1,502 1,594 1,877 2,139 2,449 2,762 3,088
伸び率 1.7 5.7 21.4 6.9 -6.1 6.2 15.9 6.2 17.7 14.0 14.5 12.8 11.8
(出所:ヤクルト本社決算発表補足資料などから作成)