三井物産等の比トヨタ車事業、9カ月間製販ともに堅調

販社トヨタ・マニラベイ、純利益29%増の1億7千万ペソ

2019/11/19

 三井物産は、フィリピンにおいて、トヨタ自動車やメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク)グループの持株会社GTキャピタル(GTCAP)とともにトヨタ車事業を推進している。2019年9カ月間(1月~9月)のトヨタ車事業は堅調に推移している。

 三井物産はトヨタ・マニラベイ社(TMBC)に40%を継続出資してきている。TMBCはフィリピン最大のトヨタ車販社であり、トヨタ車販売シェアは10%超に達している。2018年は、車両税改定に伴う業界全体の新車販売大幅減少を背景に業績伸び悩みを余儀なくされたが、2019年は回復基調に転じている。

 GTキャピタル事業報告書によると、TMBCの今9カ月間の純売上高は前年同期比(以下同様)12%増の165億ペソに達した。そのうち、自動車販売額は同12.1%増の150億ペソで全体の90.6%を占めた。自動車販売台数は4.4%増の1万2,285台で、トヨタ車販売シェアは10.8%となった。一方、部品・補修・点検サービスなどの売上高は11%増加した。自動車販売回復や高付価値車販売比率増加などにより、純利益は同28.8%増の1億6,530万ペソへと二桁増加した。現在TMBCは、パサイ市ロハス大通り、マニラ市のホセ・アバド・サントス、クバオ市、マリキナ市、カビテ州ダスマリーニャスの5カ所に販売拠点を有している。

 三井物産は、トヨタ自動車のフィリピン製造拠点であるトヨタモーター・フィリピン(TMP)にも15%出資している(GTCAPが51%、トヨタ自動車が34%)。その他、レクサス車販社であるレクサス・マニラにも25%出資している。フィリピンでのトヨタ車事業基盤拡充が、製造、販売双方で進展していると言える。

 既報のとおり、2019年9カ月間のTMP小売ベースの販売台数は4.3%増の11万4,117台で、業界全体の増加率1.7%を上回った。売上高は1.7%増の1,214億ペソに達した。損益面では、値上げ、ペソ高効果などにより粗利益は17.6%増の154億ペソ、帰属純利益13.2%増の73億3,720万ペソに達した。年間ベースの帰属純利益は2017年まで3年連続で100億ペソの大台を突破した。2018年は車両税改定という一時的要因などで減益となり100億ペソを割り込んだが、2019年は100億ペソ台回復が期待される状況である。