三菱地所、比ビスタランドとマンション開発

今年進出のフィリピンで積極事業拡大方針

2019/11/20

 三菱地所は、今年8月、「マニラ首都圏に拠点を有するデベロッパー 『アルタランド、フィリピン証券取引所上場)』が推進するオフィスビル開発計画『Savya(サビヤ)ファイナンシャルセンター ノースタワー』プロジェクトに参画した」と発表した。このプロジェクトは、三菱地所グループ初のフィリピンでの開発計画で、2019年1月に基礎工事着工、竣工は2021年末を予定している。三菱地所グループのアジア・オセアニア地域での事業は10の国・地域に拡大したことになる。

 このプロジェクトは、将来的に交通インフラの集積が期待され、現在開発が進められている、オフィス・住宅・商業からなる敷地面積74ヘクタールの大規模複合タウンシップ計画「アルカサウス」(マニラ首都圏タギグ市ウエスト・ビクータン)内に位置するツインタワーのオフィス開発計画「サビヤファイナンシャルセンター」(地上14階、敷地:約6千平米、延床:約6万平米、2棟構成)のうちの一棟である「ノースタワー」にあたる。「アルカサウス」は、既存の中央ビジネス地区であるマカティやボニファシオ・グローバルシティ(BGC)、ニノイ・アキノ国際空港から10キロメートル圏内に位置するほか、現在政府が重点施策として推進しているインフラ整備政策により、将来、大規模バスターミナル完成(2020年)やフィリピン初の地下鉄新駅開設(2025年)予定であるなど、マニラ首都圏の交通結節点としての役割を期待されるポテンシャルの高いエリアとなる。 

 更に、三菱地所は、11月19日、マヌエル・ビリャール元上院議員傘下の有力不動産企業ビスタランド&ライフスケープス(VLL、ビスタランド)グループと協働で、マニラのタフトアベニューにおいて多目的高層マンションを開発することで合意した。三菱地所にとっては、上記のウエスト・ビクータンのオフィス開発事業に次ぐ2番目のフィリピン事業、住宅開発事業としては初のプロジェクトとなる。

 具体的には、三菱地所の子会社である三菱地所レジデンスとビスタランド傘下のビスタ・レジデンスが合弁会社を設立(出資比率:三菱レジデンス40%、ビスタ・レジデンス60%)を設立、この合弁会社が住宅用32フロア(1,000ユニット)、商業用1フロア、駐車場用7フロアという高層マンションを建設する。着工は2022年前半、2024年後半までにテナントへの引き渡しを予定している。今後、ビスタランドグループと他のプロジェクトも推進していく方針である。
 
 フィリピンは、ASEAN主要国の中でも最高水準の成長を誇っており、2050年頃まで労働人口の増加が続くなど、今後も継続した成長が見込まれる有望なマーケットである。三菱地所は、このような高い成長を取り込めるフィリピン市場での取り組みを、今後一層加速させて行く方針である。