三菱UFJ信託、マニラウォーター保有比率5%以下に
株式間接保有比率10月末の6.62%から4.78%へ
2020/01/06
三菱UFJフィナンシャル・グループの連結子会社である三菱UFJ信託銀行(MUTB)は、2020年1月2日、フィリピン証券取引委員会に対し、アヤラ財閥傘下の水道企業であるマニラウォーター(MWC)株式の間接保有比率が5%以下に低下したと報告した。
MUTBは2019年8月2日、豪州を本拠地とする総合アセットマネジメント会社のコロニアル・ファーストステート・グループ(当時の社名)からその主要子会社9社(CFSGAM、当時の総称)の全株式を取得した。CFSGAMはMWC株式6.62%を保有しており、MUTBはMWC株式6.62%を間接保有することとなった。
その後、CFSGAMは、2019年11月8日から、MWC株式をフィリピン証券取引所(PSE)で売却を続け、12月18日には合計保有比率が4.78%へと低下、すなわち、MUTBのMWC株式間接保有比率が5%を割り込んだのである。PSE上場企業に対する保有比率が5%を突破したり割り込んだ場合はSECへの報告義務がある。
この間のCFSGAMによるMWC株式売却価格は、売却を始めた11月8日は1株当たり19.18ペソであったが、12月17日には5ペソ台へと急落、最も低い売却価格は5.73ペソであった。この間のMWC株価急落を反映した結果となっている。ただし、MUTBがMWC株式を売却したわけではなく、子会社のCFSGAMの運用における保有比率調整であったといえよう。
なお、1997年のマニラ首都圏上下水道局(MWSS)の首都圏上下水道事業民営化においてその事業を引き継いだ民間水道企業2社とMWSSとの間で、2013年に水道料金改訂に関して対立が生じ、民間企業2社が、シンガポールの国際商業会議所(ICC)国際仲裁裁判所の仲裁を依頼するまでに至った。国際仲裁裁判所は民間企業に有利な判決を下し、国家やMWSSの敗訴といえる結果となった
このような国と民間水道企業との係争、国の敗訴にくわえ最近の首都圏での断水・水不足問題の長期化などを背景に、ドゥテルテ大統領が民間水道2社の免許剥奪や契約方式の見直しの可能性などを示唆した。この示唆により、水道2社関連企業の株価が2019年12月ごろから急落している。
民営化により、首都圏東側で上下水道事業を行っているのはMWC。MWCの株価、さらには親会社のアヤラコーポレーション(アヤラコープ)の株価下落が目立っている。MWCの株価は2019年1月と2月は26~27ペソ台で推移、この一年間の高値は27.85ペソであったが、12月17日には5.01ペソまで急落した。その後若干反発し、2020年1月3日の終値は9.22ペソまで戻したが、一年間の最高値の3分の1程度にとどまっている。一方、首都圏西側で上下水道事業を行っているのはマイニラッドウォーター(マイニラッド)。マイニラッドは非上場企業であり、出資しているDMCIやメトロパシフィック・インベストメンツ(MPIC)の株価が下落してきた。 なお、マイニラッドには丸紅が20%間接出資している。
MUTBは2019年8月2日、豪州を本拠地とする総合アセットマネジメント会社のコロニアル・ファーストステート・グループ(当時の社名)からその主要子会社9社(CFSGAM、当時の総称)の全株式を取得した。CFSGAMはMWC株式6.62%を保有しており、MUTBはMWC株式6.62%を間接保有することとなった。
その後、CFSGAMは、2019年11月8日から、MWC株式をフィリピン証券取引所(PSE)で売却を続け、12月18日には合計保有比率が4.78%へと低下、すなわち、MUTBのMWC株式間接保有比率が5%を割り込んだのである。PSE上場企業に対する保有比率が5%を突破したり割り込んだ場合はSECへの報告義務がある。
この間のCFSGAMによるMWC株式売却価格は、売却を始めた11月8日は1株当たり19.18ペソであったが、12月17日には5ペソ台へと急落、最も低い売却価格は5.73ペソであった。この間のMWC株価急落を反映した結果となっている。ただし、MUTBがMWC株式を売却したわけではなく、子会社のCFSGAMの運用における保有比率調整であったといえよう。
なお、1997年のマニラ首都圏上下水道局(MWSS)
このような国と民間水道企業との係争、国の敗訴にくわえ最近の首都圏での断水・水不足問題の長期化などを背景に、ドゥテルテ大統領が民間水道2社の免許剥奪や契約方式の見直しの可能性などを示唆した。この示唆により、水道2社関連企業の株価が2019年12月ごろから急落している。
民営化により、首都圏東側で上下水道事業を行っているのはMWC。MWCの株価、さらには親会社のアヤラコーポレーション(アヤラコープ)の株価下落が目立っている。MWCの株価は2019年1月と2月は26~27ペソ台で推移、この一年間の高値は27.85ペソであったが、12月17日には5.01ペソまで急落した。その後若干反発し、2020年1月3日の終値は9.22ペソまで戻したが、一年間の最高値の3分の1程度にとどまっている。一方、首都圏西側で上下水道事業を行っているのはマイニラッドウォーター(マイニラッド)。マイニラッドは非上場企業であり、出資しているDMCIやメトロパシフィック・インベストメンツ(MPIC)の株価が下落してきた。 なお、マイニラッドには丸紅が20%間接出資している。