比パナソニック、9カ月間の純利益2.3倍へ急増

売上高5%増の約91億ペソ、販売費31%減少

2020/02/14

パナソニックのフィリピン拠点であるパソニックのパナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンズ(PMPC、会計期末3月、PSE上場)は、2月13日、2019年度9カ月間(2019年4月~12月)の事業報告書を公表した。
 
 それによると、PMPCの2019年度9カ月間の売上高は前年度同期比(以下同様)4.6%増の90億5,573万ペソとなった。消費者向けの冷蔵庫、特にインバーター機種が好調であったことなどが全体の増収に寄与した。

 増収ながら、冷蔵庫製造設備への投資に伴う償却負担増や人件費上昇などにより、粗利益は7.2%減の15億3,131万ペソにとどまった。しかし、販売費が30.9%減の5億5,967万ペソへと大幅減少したこと、受け取り金利が増加したことなどで、税引き前利益は77.4%増の2億3,451万ペソ、純利益は132.9%増(約2.3倍)の1億5,693万ペソへと大幅増加した。1株当たり純利益(EPS)も2.3倍の0.37ペソへと急増した。

       パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピン業績推移(単位:万ペソ、18年度までは年間数値)

項目 13年度 14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度9カ月間 伸び率
売上高 659.639 671,343 812,434 997,428 1,049,008 1,152,081 905,573 4.6%
粗利益 173,238 142,566 180,352 246,739 201,187 225,380 153,131 -7.2%
税引前利益 20,152 21,695 39,969 66,721 31,692 27,459 23,451 77.4%
所得税費用 3,947 5,437 14,872 13,138 5,288 12,607 7,758 19.7%
純利益 16,205 16,258 25,098 53,584 26,403 14,852 15,693 132.9%
 (出所:PMPC事業報告書やインフォメーション・ステートメントなどから作成)

 PMPCの起源は、1963年5月に設立されたフェスティバル・マニュファクチャリング(FMC)である。FMCは1965年に、プレシジョン・エレクトロニクス(PEC)と社名変更した。このPECと松下電器産業(MEI、社名は当時)が1967年にフィリピンで合弁家電企業を設立した。当初の合弁企業名はPECだったが、25年後の1992年にマツシタ・エレクトリック・フィリピン(MEPCO)と変更された。さらに、2005年に現社名PMPCへと再変更された。すなわちパナソニックは、フィリピンで50年超の長い歴史を有している。

 PMPCの前身が1983年1月にフィリピン証券取引所(PSE)に新規上場され、現在もPMPCとして上場が継続されている。PMPCの発行済み株式は額面1ペソの普通株式約4億2,272万株である。そのうち、フィリピン人のみが投資可能なA株約8,472万株がPSEに上場されている。2020年2月13日の終値は5.29ペソ、この1年間での高値は7.80ペソ、安値は4.54ペソである。

 浮動株比率は14.91%。日本のパソニック本社のPMPC保有比率は2019年12月末時点で79.96%である。パナソニック本社の保有するのはPMPCのB株である。