ジョリビー・フーズ成長神話に陰り、19年は14%減益

先行投資負担など響く、総店舗数は約6千店に

2020/02/19

 ファーストフード・チェーン最大手のジョリビー・フーズ(JFC)は2月18日、2019年(1月~12月)の連結決算速報を発表した。

 2019年のJFCグループ全体の総売上高は前年比(以下同様)14.9%増の2,437億9,200万ペソ、収入は11.4%増の1,796億3,800万ペソに達した。しかし、2018年4月に子会社化した米国のハンバーガー・チェーンであるスマッシュバーガーの損失やロサンゼルスを本拠地とする大手喫茶店チェーン「コーヒービーン&ティーリーフ」(CBTL)買収など先行投資負担により、帰属純利益は14.4%減の63億3,400万ペソ(新会計基準PFRS16適用)と二桁減益となった。一株当たり利益(完全希薄後)は5.732ペソで前年の6.708ペソを14.5%下回った。
 
 JFCのコーヒービーン&ティーリーフ(CBTL)買収は9月24日に完了。CBTLの利益を最大化するための長期計画の一環として、CBTLの商標は買収直後にアイルランドを本拠地とする新会社に移された。この会社はシンガポールを本拠地とするスーパー・マグニフィセント・コーヒー社で、JFCが完全子会社JWPL(シンガポール)を通じて80%出資している。
 
 JFCグループは2019年に合計497店舗(国内273店舗、海外224店舗)をオープンした。2019年末現在の国内総店舗数は3,316店。内訳はハンバーガーのジョリビー1,195店、中華のチャウキン617店、ピザのグリーンウイッチ284店、ケーキ・ベーカリーのレッドリボン502店、鶏肉・バーベキューのマン・イナサル611店、バーガー・キング105店、ベトナム麺のフォー24(PHO24)が1店、パンダ・エクスプレス1店となっている。
 
 一方、海外店舗数は2,655店。中国ではファーストフード・チェーンのYongheキング(永和大王)が339店、粥チェーンの宏状元餐が42店、ダンキン・ドーナツ(中国)8店となっている。海外でのジョリビーは266店(ベトナム130店、ブルネイ18店、香港10店、シンガポール9店、マカオ1店、マレーシア1店、米国39店、カナダ9店、サウジ12店、UAE15店、カタール10店、クウェート7店、バーレーン1店、オマーン1店、イタリア1店、英国1店、グアム1店)。レッドリボン(米国33店)、チャウキン48店(米国15店、UAE21店、カタール4店、クウェート4店、オマーン2店、サウジ2店)、ハイランズ・コーヒー401店(ベトナム358店、フィリピン43店)、PHO24 38店(ベトナム22店、インドネシア16店)、ハードロックカフェ6店(ベトナム2店、香港3店、マカオ1店)、スマッシュバーガー301店。これに、買収したコーヒービーン&ティーリーフ(CBTL)1,173店舗が加わり、JFCグループの国内外合計店舗数は5,971店舗に達した。

 JFCは2020年に国内に250~300店舗、海外に300~350店舗の合計600店舗を新規オープンする予定だ。

 JFCは2020年1月23日、完全子会社ジョリビー・ワールドワイド(JWPL、本社:シンガポール)による米ドル建て永久債の発行が完了したと発表した。この永久債は1月24日、シンガポール証券取引所に上場された。発行額は6億米ドル、JFCが保証する。投資家の反応が非常に良好であったことから、応募者利回りは3.9%となり、当初想定の4.25%を35ベーシスポイント下回るという好条件での発行となった。JFCはこの発行から調達した資金の大部分をCBRL買収に際して5銀行から借り入れた4億米ドルのつなぎ融資返済に充当した(20年2月18日のフィリピン証券取引所回覧00999-2020号より)。