ホンダ、フィリピンの四輪完成車生産から撤退

現行生産車種のシティやBR-V等輸入に切り替え

2020/02/23

  本田技研工業(ホンダ)と、フィリピンにおける四輪車生産・販売拠点であるホンダカーズ・フィリピン・インコーポレーテッド(HCPI、本社:ラグナ州サンタロサ市、社長:高倉記行氏)は、2月22日、「フィリピンでの四輪車生産を2020年3月で終了する」と発表した。

 ホンダは、フィリピンの顧客のニーズにあった商品を適正な価格で提供するには、効率的な資源配分・投入が必要であり、アジア・大洋州地域における適正な生産体制を検討した結果、フィリピンでの四輪車生産を終了することを決定した。

 今後、HCPIは、アジア・大洋州地域を中心とするリソースを活用した供給により、フィリピンでの四輪車販売およびアフターセールス事業を継続する。引き続き、フィリピンの顧客に対し魅力的な商品を届けるとともに、フィリピンにおいて事業開始以来50年近くにわたり継続してきた地域社会への貢献に注力していく方針である。

 なお、現行のHCPIは1990年9月1日に創立された。すなわち、創立30周年を迎えつつある。この間HCPIはフィリピン自動車産業の発展に貢献するとともに、環境保全や社会貢献活動を積極的に推進してきている。

 HCPIの現行資本金は19億ペソ(約40億円)、出資比率はホンダ本社74.2%、リサール商業銀行(RCBC)12.9%。アヤラコーポレーション傘下のACインダストリアルテクノロジー・ホールディングス12.9%となっている。すなわち、ホンダと、ユーチェンコ財閥、アヤラ財閥との合弁企業である。

 HCPIは、1992年2月に生産を開始、現在は人気の小型4ドアセダン「シティ」、小型スポーツ多目的車(SUV)である「BR-V(ビーアールブイ)」などを生産している。「BR-V」は、SUVらしい外観とハンドリングに加え、家族などの7人が乗れる広々とした室内空間と多彩なユーティリティを兼ね備えたモデルで、アジア市場をメインターゲットとして開発された。高性能にくわえ7人乗りSUVとしてはフィリピンで最も廉価な価格設定(発売当時)ということもあって人気化したことで、2018年10月に現地生産開始が決定されたという経緯がある。上記のように、これらの車種も輸入販売へと切り替えられる。