1月の失業率5.3%、前年同月と同水準

最悪カラバルソンの6.7%、首都圏は6.2%

2020/03/06

フィリピン統計庁(PSA)が3月5日発表した2020年1月の労働力調査(LFS)によると、完全失業率は前年同月から横ばいの5.3%(速報値)だった。

 15歳以上の人口は前年同月比(以下同様)1.5%増の7,299万7千人で、労働力参加率は61.7%。就業者数は4.0%増の4,265万3千人、就業率(雇用率)は前年同月から横ばいの94.7%、失業者数は4.7%増の239万人であった。

 就業者4,265万3千人のうち、農業部門が22.7%、鉱工業部門が18.8%、サービス部門が58.8%を占める。就業形態は、賃金労働者が全体の65.2%を占め、その51.4%が民間企業労働者、9.2%が政府系企業社員・公務員だった。自営・事業主は全体の28.6%、無給家内労働者は6.2%。フルタイム就業者(週40時間以上勤務)は就業者全体の67.6%で、前年同月の72.1%を下回った。

 不完全就業者(就業者であっても十分な労働時間に満たず追加の仕事を求めているパートタイム労働者)数は0.1%減の631万7千人(不完全就業率は14.8%)。
 
 失業者(239万人)を年齢層でみると、15歳-24歳:42.4%(19年1月44.0%)、25歳-34歳:32.1%(同30.0%)、35歳-44歳:11.2%(同13.0%)、45歳-54歳:8.5%(同7.7%)、55歳-64歳:4.7%(同4.0%)。学歴別では、中学校進学・卒業者の割合は39.5%(卒業者は28.7%)、大学進学・卒業者では36.9%(卒業者は26.9%)。性別では、男性63.3%、女性36.7%。

 地域別では、首都圏(NCR)の失業率は6.2%。失業率の最も高い地域(首都圏除く)はカラバルソン(6.7%)、最も低かったのは、コルディリェラ行政地域(2.8%)。その他、セブを含む中央ビサヤ地域は6.0%だった。

フィリピン労働力調査(LFS)
項目 2020年1月 2019年1月
15歳以上人口(単位:千人) 72,997 71,886
労働力参加率(%) 61.7 60.3
就業率(%) 94.7 94.7
失業率(%) 5.3 5.3
不完全就業率(%) 14.8 15.4
(出所:フィリピン統計庁資料より作成、2020年は速報値)

フィリピン人若者(15-24歳)の労働力調査(LFS)
項目 2020年1月 2019年1月
若者(15-24歳)の人口(単位:千人) 19,851 19,699
若者の労働力参加率(%) 37.4 35.9
15歳以上の就業人口における若者の割合(%) 86.4 85.8
15歳以上の不完全就業人口における若者の割合(%) 13.6 14.2
若者の失業率(%) 12.5 14.6
若者の人口におけるニートの割合(%) 16.9 19.5
若者の労働力への新規参入者の割合(%) 8.7 12.2
(出所:フィリピン統計庁資料より作成、2020年は速報値)

 2020年1月の地域別就業率・失業率の比較   (単位:千人、率:%)
地域 15歳以上人口 労働参加率 就業率 失業率 不完全就業率
フィリピン全国 72,997 61.7 94.7 5.3 14.8
首都圏 9,828 60.1 93.8 6.2 4.6
コルディリェラ行政地域 1,213 63.0 97.2 2.8 11.3
1-イロコス 3,502 63.4 91.2 8.8 16.1
2-カガヤンバレー 2,418 64.4 96.0 4.0 16.3
3-中央ルソン 8,439 59.6 94.0 6.0 12.5
4A-カラバルソン 10,935 64.0 93.3 6.7 11.6
4B-ミマロパ 2,044 58.8 96.4 3.6 23.4
5-ビコール 3,918 61.7 94.5 5.5 30.4
6-西ビサヤ 5,395 60.4 94.4 5.6 12.5
7-中央ビサヤ 5,380 63.9 96.5 3.5 14.7
8-東ビサヤ 3,109 59.5 95.4 4.6 16.4
9-サンボアンガ半島 2,500 59.4 96.5 3.5 19.3
10-北ミンダナオ 3,354 70.1 96.8 3.2 21.7
11-ダバオ地域 3,539 58.9 95.4 4.6 14.2
12-ソックサージェン 3,175 65.4 96.7 3.3 24.2
13-カラガ 1,798 64.8 95.6 4.4 27.4
BARMM* 2,449 50.9 94.7 5.3 7.7
(出所:フィリピン統計庁資料より作成、*BARMM:バンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治区)