中央銀行総裁、第2四半期に景気後退入りと予想

経済開発庁は年間成長率を-0.6%~+4.3%と予測

2020/03/30

 フィリピンでも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者数が急増、3月29日時点で累計感染確認1,418人、累計死者71人と悪化に歯止めがかからない。そのような状況下、政府の経済関連部署からもGDP成長率予想の大幅下方修正の動きが出始めている。

 既報のとおり、国家経済開発庁(NEDA)は、3月19日に「COVID-19パンデミックのインパクト」というタイトルのレポートを作成、3月24日に公表した。NEDAはそのレポートにおいて、2020年のフィリピンGDP実質成長率はマイナス0.6%~+4.3%と予想している。すなわち、アジア通貨危機時の1998年以来、22年ぶりのマイナス成長に陥る可能性もあると懸念している。予想の上限の4.3%達成の条件は、十分な景気対策が実施されルソン全域での「強化されたコミュニティー隔離措置(ECQ)」が当初予定通り1カ月で済み、ECQ発動の必要性が他地域に及ばないことなどとしている。

 ECQが1カ月を超えて延長されなければならなかったり、1カ月間のECQ実施後も新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからないような場合(既にそのような状態になることが懸念されている)は、下限であるマイナス0.6%という予想でも高すぎる、すなわち、マイナス幅が更に拡大すると警告している。NEDAは、ルソン全域でのECQによる付加価値減少額は2,960億ペソ~1兆0,869億ペソ、対名目GDP比2.1%~6.6%と推定しているが、ECQ期間が長引けば、減少額が更に拡大することになる。

 さらに、フィリピン中央銀行(BSP)のベンジャミン・ディオクノ総裁も、3月29日のABS-CBNニュースチャンネルにおいて、「世界は景気後退(2四半期連続でのマイナス成長)入りしつつある。2009年の景気後退時よりも深刻なものになろう。フィリピンについても、2020年第1四半期は3%程度のプラス成長となろうが、第2四半期と第3四半期はマイナス成長、すなわち景気後退入りとなろう。第4四半期に回復の兆しが見えてくる可能性もあるが、2020年年間で1%程度のマイナス成長に陥る懸念もある」とコメントした。

 そして、ディオクノ総裁は、「中央銀行は既に3,000億ペソの国債追加取得計画策定、0.5%の追加利下げ、各金融機関に課している預金準備率の2%追加引き下げなど、金融面からの新型コロナウイルス対策支援策を相次いで打ち出している。そして更なる利下げや預金準備率引き下げの用意はある。しかし、金融面からの支援には限界がある。財政面からの大胆な景気浮揚策が不可欠である」と強調した。