3月の株価21.6%続落、第1四半期31.9%急落

一時8年ぶり以上の安値に、外国人310億ペソ売り越し

2020/04/01

 フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の2020年3月末終値は5,321.23ポイントとなり、前月末と比べて21.61%下落し、3カ月連続の大幅下落となった。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大や地域隔離措置発動に伴う経済活動停滞、景気悪化懸念などを背景に市場センチメントが急悪化した。3月19日には前営業日から711.95ポイント、率にして13.3%急落、4,623.42ポイントへと落ち込み、2012年1月26日の4,611.68ポイント以来、約8年2カ月ぶりの安値に落ち込んだ。この日の下落幅、下落率ともに、一日として過去最大となった。
 
 これらの結果、年初3カ月間(第1四半期)では31.91%の急落となった。3カ月間の大分類セクター別指数は全て下落となった。下落率の大きい順に、鉱業・石油株(-48.57%)、金融株(-34.34%)、工業株指数(-33.97%)、不動産株(-33.85%)、持株会社株(-31.07%)、サービス業株(-22.14%)。

 手許計算によると、年初3カ月間の1日当たり平均売買額は約66億9,000万ペソで、前年同期の80億1,500万ペソから16.5%減少した。外国人の売買額シェアは55%で前年同期と同水準であった。外国人は約310億ペソの売り越しで、前年同期の326億1,400万ペソの買い越しから激変となった。PSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は10.85倍となり、前年同期末の19.40倍から急低下した。

 
PSE指数の推移(年末値/月末価)
時期 年末・月末値 上昇率
2008年 1,872.85ポイント -48.29%
2009年 3,052.68ポイント 63.00%
2010年 4,201.14ポイント 37.62%
2011年 4,371.96ポイント 4.07%
2012年 5,812.73ポイント 32.95%
2013年 5,889.83ポイント 1.33%
2014年 7,230.57ポイント 22.76%
2015年 6,952.08ポイント -3.85%
2016年 6,840.64ポイント -1.60%
2017年 8,558.42ポイント 25.11%
2018年 7,466.02ポイント -12.76%
2019年 7,815.26ポイント 4.68%
 
2020年 1月末 7,200.79ポイント -7.86%
2月末 6,787.91ポイント -5.73%
3月末 5,321.23ポイント -21.61%
3カ月間 - -31.91%
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)


 フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
項目 17年 18年  19年 20年3月末 3カ月上昇率
フィリピン証券取引所指数 25.11% -12.76% 4.68% 5,321.23 -31.91%
全株指数 20.06% -9.46% 2.92% 3,237.77 -30.37%
  金融株指数 34.71% -20.19% 4.71% 1,223.64 -34.34%
  工業株指数 5.46% -2.49% -12.02% 6,361.71 -33.97%
  持株会社株指数 23.23% -14.79% 3.41% 5,233.52 -31.07%
  不動産株指数 29.73% -8.80% 14.51% 2,748.30 -33.85%
  サービス業株指数 24.33% -10.94% 6.13% 1,192.04 -22.14%
  鉱業・石油株指数 -3.00% -28.71% -1.32% 4,161.90 -48.57%
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)