三井物産等の比トヨタ車事業、19年は製販ともに堅調

比トヨタ自動車15%増益、販社トヨタ・マニラベイ28%増益

2020/04/03

 三井物産は、フィリピンにおいて、トヨタ自動車やメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク)グループの持株会社GTキャピタル(GTCAP)とともにトヨタ車事業を推進している。2019年(1月~12月)のトヨタ車事業は堅調に推移した。

 三井物産はトヨタ・マニラベイ社(TMBC)に40%を継続出資してきている。TMBCはフィリピン最大のトヨタ車販社であり、トヨタ車販売シェアは約11%に達している。2018年は、車両税改定に伴う業界全体の新車販売大幅減少を背景に業績伸び悩みを余儀なくされたが、2019年は回復に転じた。

 GTキャピタルの情報報告書によると、TMBCの2019年の純売上高は前年比(以下同様)15.1%増の235億ペソに達した。そのうち、自動車販売額は同15.7%増の215億ペソで全体の91.2%を占めた。自動車販売台数は9.3%増の1万7,755台で、トヨタ車販売シェアは10.96%となった。一方、部品・補修・点検サービスなどの売上高は9%増加した。自動車販売台数回復や高付価値車販売比率増加などにより、純利益は同28%増の2億2,610万ペソへと二桁増加した。現在TMBCは、パサイ市ロハス大通り、マニラ市のホセ・アバド・サントス、クバオ市、マリキナ市、カビテ州ダスマリーニャスの5カ所に販売拠点を有している。

 三井物産は、トヨタ自動車のフィリピン製造・販売拠点であるトヨタモーター・フィリピン(TMP)にも15%出資している(GTCAPが51%、トヨタ自動車が34%)。その他、レクサス車販社であるレクサス・マニラにも25%出資している。フィリピンでのトヨタ車事業基盤拡充が、製造、販売双方で進展していると言える。

 既報のとおり、TMPの2019年の小売ベースの販売台数は5.9%増の16万2,011台で、業界全体の増加率2.4%を上回った。売上高は6.1%増の1,686億ペソに達した。損益面では、販売台数増加、値上げ、ペソ高効果などにより粗利益は27.2%増の211億ペソ、営業利益は24.7%増の128億ペソ、帰属純利益も15.2%増の90億8,200万ペソと高水準であった。

 一方、レクサスは、高級車市場でBMW、メルセデス・ベンツと3強を形成しており、2019年の販売台数は616台に達している。