第1四半期決算発表開始、アヤラ系BPIは5%減益
貸倒れ引当2.4倍増響く、新型コロナ危機への備え
2020/04/24
新型コロナウイルス感染拡大に伴う混乱で、フィリピン証券取引所(PSE)上場企業の業績発表や財務関連資提出が遅れがちである。2019年の年次報告書未提出企業も多数ある。そのような状況下で、2020年第1四半期(1月~3月)の決算発表シーズン入りとなった。
銀行業界では、まず、アヤラ財閥傘下の有力銀行バンク・オブ・ザ・フィリピン・アイランズ(BPI)が、4月23日、2020年第1四半期の決算速報を発表した。
BPIの今第1四半期の総収入は前年同期比(以下同様)10.9%増の252億6,000万ペソに達した。主力の純金利収入が13%増の181億4,000万ペソと二桁増加した。純金利率は3.63%で前年同期の3.39%から24ベイシスポイント向上した。一方、非金利収入は証券投資益拡大などで5.8%増の71億2,000万ペソとなった。
営業費用は3.8%増の125億3,000万ペソと増収率を下回る伸びにとどまった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大危機に備え、貸し倒れ引当を2.4倍の42億3,000万ペソへと大幅増加させたことなどで、純利益は5%減の63億9,000万ペソと小幅ながら減益となった。
3月末現在の総融資残高は7.3%増の1兆4,500億ペソとなった。マイクロファインスが66.6%増、中小企業向けが14.9%増などの伸びが目立った。受け入れ預金残高は4.3%増の1兆6,800億ペソ。コストの低い当座預金・貯蓄口座(CASA)比率は73.5%で前年同期の70.3%から更に上昇、預貸率(LDR)は86.3%となった。
総資産は5.1%増の2兆1,900億ペソ、株主資本は2,727億ペソに達した。財務比率は依然良好である。株主資本利益率(ROE)は9.38%、総資産利益率(ROA)は1.21%。バーゼルⅢ基準での自己資本比率(CAR)は16.08%で中央銀行の最低基準10%をかなり上回っている。補完資本(TIER2)を除いた普通株式中核自己資本(CET1)比率も15.19%と良好で中央銀行の最低基準8.5%を大幅に上回っている。
第1四半期の業績においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響は貸し倒れ引当の大幅増加以外はさほど顕在化していないが、感染拡大の影響が本格化するであろう第2四半期の決算動向が注目される。
銀行業界では、まず、アヤラ財閥傘下の有力銀行バンク・オブ・ザ・フィリピン・アイランズ(BPI)が、4月23日、2020年第1四半期の決算速報を発表した。
BPIの今第1四半期の総収入は前年同期比(以下同様)10.9%増の252億6,000万ペソに達した。主力の純金利収入が13%増の181億4,000万ペソと二桁増加した。純金利率は3.63%で前年同期の3.39%から24ベイシスポイント向上した。一方、非金利収入は証券投資益拡大などで5.8%
営業費用は3.8%増の125億3,000万ペソと増収率を下回る伸びにとどまった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大危機に備え、貸し倒れ引当を2.4倍の42億3,000万ペソへと大幅増加させたことなどで、純利益は5%減の63億9,000万ペソと小幅ながら減益となった。
3月末現在の総融資残高は7.3%増の1兆4,500億ペソとなった。マイクロファインスが66.6%増、中小企業向けが14.9%増などの伸びが目立った。受け入れ預金残高は4.3%増の1兆6,800億ペソ。コストの低い当座預金・貯蓄口座(
総資産は5.1%増の2兆1,900億ペソ、株主資本は2,
第1四半期の業績においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響は貸し倒れ引当の大幅増加以外はさほど顕在化していないが、感染拡大の影響が本格化するであろう第2四半期の決算動向が注目される。
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