日本、ADB加盟途上国の新型コロナ対策を支援

貧困削減日本基金などを通じ1.5億ドルの緊急支援

2020/05/03

   アジア開発銀行(ADB)は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響に対応している開発途上加盟国を支援するため、当初から的確な対策を講じてきた。

 こうしたADBの取り組みを支え、開発途上加盟国における新型コロナウイルス感染症の拡大を抑制するための能力強化を支援するため、日本政府は、ADB内に創設されADBが管理する「貧困削減日本基金(JFPR)」及びアジア太平洋災害対応基金(APDRF)を通じ、1億5,000万ドルの緊急支援を提供することを表明した。

 なお、JFPRは、ADBに加盟する開発途上国の中でも特に貧困が深刻な国に対して、長期的な社会・経済発展強化への支援を目的として、2000年5月に日本政府の資金拠出によりADB内に創設された基金である。ADBによる通常のオペレーションを補完する。

 ADBのウーチョン・ウム持続的開発・気候変動局長は、「ADBが国連機関や他の開発機関と協力し、新型コロナウイルス感染症に早急に対応するため、開発途上加盟国に対し迅速に支援を提供する中、この日本からの支援も、開発途上加盟国の医療制度を強化し、感染拡大への対応を持続可能なものとする」とした上で、「強固な感染症の監視、十分に訓練され、また資機材を有する医療従事者、的確かつ根拠に基づく医療措置と適切な診療を確保するためには、強固な保健制度が必要となる」とコメントした。

 ADBは65億ドルの当初の支援パッケージに続き、新型コロナウイルス感染症によるマクロ経済及び健康への深刻な影響に対応する開発途上加盟国を支援するため、135億ドルの資金を加え、支援規模を3倍にすることを4月13日に表明した。この200億ドルのパッケージには、約25億ドルの譲許的資金および無償資金が含まれる。日本からの拠出は、このパッケージに追加されるものである(20年4月30日のADB駐日代表事務所発表などより)。