IMD国際競争力、比は世界45位(63カ国中)

ASEANで最下位、日本34位で過去最低に

2020/06/17

 スイス・ローザンヌのIMD(経営開発国際研究所)は6月16日、「世界競争力年報2020年版」を発表した。

 IMDによる2020年国際競争力ランキングにおいて、フィリピンは45位(63カ国・地域中)で昨年の46位、一昨年の50位から上昇したものの、これまでと同様、調査対象のASEAN主要国で最下位、アジア・太平洋地域14カ国中13位という結果となった。項目別では、「経済パフォーマンス」44位(前年38位)、「行政の効率性」42位(同41位)、「ビジネスの効率性」33位(同32位)、「インフラ整備度」59位(同59位)で、各々昨年を上回った。インフラ整備度は最下位から5番目と厳しい評価が続いている。

 1位はシンガポール(昨年1位)、2位デンマーク(同8位)、3位スイス(同4位)、4位オランダ(同6位)、5位香港(同2位)であった。香港は、中国本土による統制強化の動きによりベスト3位から陥落した。香港の統制を強める中国本土も、米国との摩擦激化などが響き6ランク下落している。

 日本は34位で、昨年の30位、一昨年の25位から下落、比較可能な1997年以降で最低となった。かつて首位にランクされていた面影が全く失せるとともに、調査対象の中位というランキングが定着しかかっている感がある。2020年版でも日本は、「ビジネスの効率性」で厳しい評価を受けている。小項目別では、起業環境や国際経験が最下位とされている。また、デジタル技術では62位で、デジタル化の緩慢さが反映された結果となっている。


 アジア勢では、シンガポール、香港という上位常連国2カ国のほか、台湾が11位(昨年16位)、中国本土が20位(昨年14位)、韓国が23位(同28位)、マレーシアが27位(同22位)、タイが29位(同25位)となっており、日本はこれらの国々の後塵を拝している。このほか、アジア勢は、インドネシア40位(同32位)、インド43位(同43位)、フィリピン45位(同46位)、モンゴル61位(62位)となっている。

 IMDの世界競争力は、世界各国・地域を、「経済パフォーマンス」、「行政の効率性」、「ビジネスの効率性」、「インフラ整備度」という4分野での調査を行い、ランキングしたものである。IMDは50年以上の歴史を有する世界有数のビジネススクールであり、今年の世界競争力年報2020年版は第32版となる。