三菱UFJ出資のセキュリティバンク、上半期14%増益

純金利収入34%増、自己資本比率(CAR)19.7%と高水準

2020/08/14

 三菱UFJ銀行(MUFGB)が20%出資する有力拡大商業銀行であるセキュリティバンク(SECB)は8月13日、PSE回覧05795-2020号にて、2020年上半期(1月~6月)の決算速報を発表した。
 
 それによると、2020年上半期の総収入は前年同期比(以下同様)68%増の259億ペソに達した。純金利収入が34%増の158億ペソと好調。証券売買益は7.2倍増の78億ペソへと急増した。一方、サービス料・手数料など非金利収入は10%減の17億ペソにとどまった。

 大幅な増収効果などにより、純利益は14%増の57億ペソへと二桁増。費用収益比率(Cost-to-income ratio)は39.7%で前年同期の53.7%から改善した。引当金繰入前営業利益(PPOP)は120%増の156億ペソ。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックがもたらした厳しい経済環境を予測し、貸倒引当金として110億ペソを確保。前年同期の6億3,900万ペソから大幅に増強した。
 
 総不良債権(NPL)比率は1.58%と低水準、フィリピン商業銀行業界の1.79%(2020年6月現在-中央銀行速報値)を下回っている。また、NPL貸倒引当率は174%に上昇(前年同期125%)。

 株主資本利益率(ROE)は9.2%(前年同期8.8%)、総資産利益率(ROA)は1.48%(同1.28%)とそれぞれ上昇した。

 総融資残高(SBファイナンス分を除く)は7%増の4,500億ペソ。個人向け融資が25%増加し、融資全体の27%を占めた。一方、法人向け融資は4%増となった。総受入預金残高は14%増の5,110億ペソ。低コスト預金が27%増となり、総受入預金残高の48%を占めた(前年同期43%)。

 2020年6月末の総資産は5%減の7,400億ペソにとどまる一方、株主資本は11%増の1,270億ペソに達した。バーゼル3基準の自己資本比率(CAR)は19.7%(前年同期は19.2%)、普通株式中核自己資本比率(CET1)は18.8%(前年同期16.8%)と共に中央銀行の最低基準10%、8.5%を大幅に上回っている。

 セキュリティバンクは1951年に創立され、今年で創業69年となる。2020年6月末現在の支店数は309店、ATMは820台である。