比三菱自動車にJBIC等が1.9億ドルの協調融資
市場シェア世界最高の16%を誇る比事業を支援
2020/08/27
国際協力銀行(JBIC)は、8月225日、「三菱自動車工業(三菱自動車)のフィリピン法人Mitsubishi Motors Philippines Corporation(MMPC)との間で、融資金額1億1,000万米ドル(JBIC分)を限度とする貸付契約を締結した」と発表した。
この融資は、「成長投資ファシリティ」を活用し、民間金融機関との協調融資により実施するものであり、協調融資総額は約1億8,700万米ドル相当である。MMPCがフィリピンにおいて実施する自動車の製造・販売事業に必要な資金を融資するものである。
三菱自動車は、中期経営計画(2020~2022)において、同社が強みを持つASEAN地域に経営資源を集中し、販売ネットワーク及び生産体制の強化並びに同地域向けの商品開発の強化を通じたシェアの維持・拡大を企図している。今回の融資は、三菱自動車のASEAN地域において事業戦略上重要なフィリピンでの海外事業を支援するものであり、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものである。
三菱自動車のアセアン4カ国(フィリピン、タイ、インドネシア、ベトナム)での2019年度の新車販売シェアは10.6%で、日本での2.1%、欧州での1.0%、北米0.8%に比べ非常に高い。個別では、フィリピンが16.0%と非常に高く、インドネシア10.7%、ベトナム9.8%、タイ8.6%と続く。2022年度にはアセアン4カ国でのシェア11.4%(フィリピン17.8%、インドネシア11.4%、ベトナム10.0%、タイ9.3%)を目指す。
フィリピンでは、環境対応車(PHEV・EV)のラインナップ強化、ピックアップトラック・SUV・MPVなど新型車投入にくわえ、現地仕様小型商用車L300を一部のASEAN諸国に輸出する計画である。MMPCにおいて、今年7月28日、L300の累計生産台数が20万台に達した。
三菱自動車は現在、全社的にはやや苦戦を強いられているが、フィリピンでは強固な事業基盤を構築し、販売台数は堅調な推移を辿り、MMPCは、トヨタモーター・フィリピンに次ぐ業界第2位の地位を確固たるものにしている。上記のように、市場シェア16%は、他の市場のシェアを大幅に上回り、世界最高となっている。MMPC市場シェアが、他市場に比べ非常に高いのは、フィリピンでの歴史が長く地道に事業基盤を強化してきたこと、モンテロ・スポーツ、パジェロ、ASX、アドベンチャー、L300など現地ニーズの高い多目的車のラインアップが豊富であることなどが挙げられる。
MMPCの起源は1963年2月、そして、1964年5月にクライスラー・フィリピンとして生産を開始した。すなわち、生産開始から56年の歴史を有している。2009年にはフィリピン国内の自動車会社として初めて累計生産50万台、2016年5月には60万台、2019年11月には70万台を達成した。また、2019年4月には累計販売台数100万台を達成している。
なお、JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件組成やリスクテイク機能等を通じて、日本企業の海外事業展開を金融面から支援していく方針である。
この融資は、「成長投資ファシリティ」を活用し、民間金融機関との協調融資により実施するものであり、協調融資総額は約1億8,700万米ドル相当である。MMPCがフィリピンにおいて実施する自動車の製造・販売事業に必要な資金を融資するものである。
三菱自動車は、中期経営計画(2020~2022)において、同社が強みを持つASEAN地域に経営資源を集中し、販売ネットワーク及び生産体制の強化並びに同地域向けの商品開発の強化を通じたシェアの維持・拡大を企図している。今回の融資は、三菱自動車のASEAN地域において事業戦略上重要なフィリピンでの海外事業を支援するものであり、日本の産業の国際競争力の維持・向上に貢献するものである。
三菱自動車のアセアン4カ国(フィリピン、タイ、インドネシア、ベトナム)での2019年度の新車販売シェアは10.6%で、日本での2.1%、欧州での1.0%、北米0.8%に比べ非常に高い。個別では、フィリピンが16.0%と非常に高く、インドネシア10.7%、ベトナム9.8%、タイ8.6%と続く。2022年度にはアセアン4カ国でのシェア11.4%(フィリピン17.8%、インドネシア11.4%、ベトナム10.0%、タイ9.3%)を目指す。
フィリピンでは、環境対応車(PHEV・EV)のラインナップ強化、ピックアップトラック・SUV・MPVなど新型車投入にくわえ、現地仕様小型商用車L300を一部のASEAN諸国に輸出する計画である。MMPCにおいて、今年7月28日、L300の累計生産台数が20万台に達した。
三菱自動車は現在、全社的にはやや苦戦を強いられているが、フィリピンでは強固な事業基盤を構築し、販売台数は堅調な推移を辿り、MMPCは、トヨタモーター・フィリピンに次ぐ業界第2位の地位を確固たるものにしている。上記のように、市場シェア16%は、他の市場のシェアを大幅に上回り、世界最高となっている。MMPC市場シェアが、他市場に比べ非常に高いのは、フィリピンでの歴史が長く地道に事業基盤を強化してきたこと、モンテロ・スポーツ、パジェロ、ASX、アドベンチャー、L300など現地ニーズの高い多目的車のラインアップが豊富であることなどが挙げられる。
MMPCの起源は1963年2月、そして、1964年5月にクライスラー・フィリピンとして生産を開始した。すなわち、生産開始から56年の歴史を有している。2009年にはフィリピン国内の自動車会社として初めて累計生産50万台、2016年5月には60万台、2019年11月には70万台を達成した。また、2019年4月には累計販売台数100万台を達成している。
なお、JBICは今後も、日本の公的金融機関として、様々な金融手法を活用した案件組成やリスクテイク機能等を通じて、日本企業の海外事業展開を金融面から支援していく方針である。