比いすゞ、8月に累計販売台数30万台突破

小型トラックで21年、全トラックで20年連続首位

2020/09/08

 いすゞ自動車の四輪車製造・販売拠点である、いすゞフィリピン(IPC)の累計販売台数が、8月に30万台を突破、8月31日現在で30万0,133台に達した。1997年の生産開始以来、累計で24万1,389台の小型商用車、5万8,744台の商用車を販売した。

 IPCは、累計販売30万台達成を記念する特別プロモーションを実施する。更に、ルソン、ビサヤ、ミンダナオ地域のさまざまな新型コロナウイルス検疫施設に30万ペソ相当の防護具(PPE)の寄付などを行う方針である。
 
 IPCの主要株主は、いすゞ自動車と三菱商事でともに35%出資している。フィリピンのアヤラ財閥とユーチェンコ財閥も各々15%出資している。設立は1995年8月、同年にフィリピンでの工場起工式を執り行い、1997年に正式落成、生産を開始した。Nシリーズ(エルフの海外仕様車)などのトラックの生産からスタートし、その後、トゥルーパー、フエゴ、ハイ・ランダーと続き、2001年にはハイ・ランダーに代わってよりモダンなクロスウィンド、2003年にはピックアップ車Dマックス、2014年10月には、スポーツ多目的車(SUV)「mu-X」を発売した。

 そして、トラック市場首位の座を一段と強固にしつつある。2019年は小型トラック(カテゴリー3)市場で21年連続でのトップシェアを維持した。IPCがフィリピンで販売している小型トラックはNシリーズなど。また、中型トラック(カテゴリー4)、大型トラック(カテゴリー5)も含めた全トラック販売台数においても20年連続での首位となっている。

 いすゞやIPCは社会貢献活動にも注力している。特に注目されるのが、フィリピンでの自動車整備士養成学校の設立支援、運営の継続支援である。いすゞは2008年より、いすゞ創立70周年を機にしたいすゞ独自の社会貢献活動プロジェクトの一環として、レイテ島タクロバン市のフィリピン労働雇用省技術教育技能開発庁(TESDA)における、自動車整備士養成学校への教育支援活動を開始した。このプロジェクトは、自動車メーカーとしてのノウハウを活用した社会貢献事業として、フィリピンの自動車業界を支える自動車整備士の育成および貧困層の若者の就職支援を目的としている。卒業生には、フィリピンの自動車整備士の最高国家資格であるNC4が授与される。
 
 いすゞやIPCは資金援助にとどまらず、自社のノウハウを活かした支援の一例として、日本の指導員を現地に派遣し、技術教育支援を実施する「いすゞ塾」という取り組みを確立。電気、トランスミッション、エンジン、ステアリングなどに関する高い整備技能に加えて、5S活動の考え方を身に付けた卒業生は、就職先で高い評価を受けている。2019年央時点で266名の卒業生がフィリピンのみならず日本をはじめ、各国の自動車販売会社や自動車整備工場でメカニックとして活躍するほか、フィリピンに設立したアフターセールス支援会社「いすゞグローバル・サービス コーポレーション(IGSC)」のトレーナーとしても活躍している。

 このTESDA自動車整備士養成学校は、2013年11月に中部フィリピンを襲った超大型台風30号(フィリピン名:ヨランダ)により大きな被害を受け1年以上の閉鎖を余儀なくされた。この間、いすゞやIPCは被災した生徒や学校職員に対して社内有志による寄付を届けるとともに、学校復旧に向けての支援を行ってきた。