三菱電機の警戒管制レーダー、南シナ海パラワン沖に

比空軍、日本支援による無人航空機能力強化に関心

2020/10/14

 今年8月、日・フィリピン防衛装備品・技術移転協定に基づくフィリピンの警戒・監視能力向上に係る協力として、フィリピン国防省と三菱電機との間で同社製警戒管制レーダー(4基)を納入する契約が成立した。

 この件は、2016年9月に合意されたTC-90等の移転に続き、日・フィリピン防衛装備品・技術移転協定に基づいて実施される移転案件であり、日本から海外への完成装備品の移転としては初の移転案件である。

 10月13日付けフィリピン政府通信社によると、フィリピン空軍(AFP)は、13日の海外特派員通信員協会(FOCAP)とのオンライン記者会見において、「西フィリピン海(南シナ海)パラワン島マランパヤ沖の閉鎖されたマティンロック・ガスプラットフォームに、日本から納入されるレーダーの1基を設置することになろう」と表明したのことである。

 このレーダーは海事領域認識能力強化のために使用されるだろうとのことである。AFPは、日本の支援を受けて無人航空機システムの能力を強化することにも関心があるとも表明したとのことである。
 
 本年1月にマニラで行われた日・フィリピン外相会談では、両国の安全保障分野における協力を更に強化していくことが合意された。今回のレーダー移転案件により、日本の戦略的パートナーであるフィリピンとの安全保障・防衛協力が推進され、ひいては日本の安全保障及び自由で開かれたインド太平洋に向けた取組にも資することが期待される。