9月末の外貨準備高、初の1,000億ドル突破

前年比17%増、輸入10カ月分、残存短期負債の5.4倍

2020/10/16

 フィリピン中央銀行(BSP)発表の速報データによると、フィリピンの総外貨準備高(GIR)は2020年9月末現在で、過去最高の1,004億9,000万米ドルに達し、前月の989億5,000万米ドルを15億4,000万米ドル上回った。前年同月末からは17.4%の増加。輸入の10カ月分に相当する水準であるとともに、元本ベース短期負債の9.2倍、残存ベース短期負債の5.4倍に相当する水準でもある。

  9月末のGIRレベルが前月末より上昇したのは主に中央銀行の外国為替益と政府の外貨建て預金の増加による。しかし、政府の外貨建て債務の支払い、及び、国際市場の金価格下落に伴う中央銀行の金保有高の再評価損等で一部相殺された。

 フィリピンの総外貨準備高推移(単位:百万ドル)

項目 年末値  9月末 伸び率
年・月 17年 18年 19年 19年 20年 前月比 前年同月比
総外貨準備高(GIR) 81,570 79,193 87,840 85,582 100,490 1.6% 17.4%
輸入カバー率(月数) 7.8 6.9 7.8 7.4 10.0 -
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成、9月は速報値)