三菱UFJ出資のASEAN2行による合弁金融会社誕生
セキュリティ傘下のSBファイナンスにアユタヤ銀行50%出資
2020/10/21
フィリピンの拡大商業銀行であるセキュリティバンク(PSE上場、証券コード:SECB)は、10月20日、「SECBの金融子会社であるSBファイナンスに対するタイのバンク・オブ・アユタヤ(アユタヤ銀行)の50%出資が完了した」と発表した。
SBファイナンスの主業務は消費者向け融資事業である。これまでSECBがSBファイナンスの株式(1株当たり額面100ペソ)1,408万5,302株(99.54%)を保有してきた。そのうちの707万5,000株(50%)をアユタヤ銀行が取得したのである。アユタヤ銀行は三菱UFJ銀行の連結子会社(2013年出資)であり、SECBは持分適用会社(2016年出資)である。すなわち、SBファイナンスは、三菱UFJ銀行出資のASEAN有力銀行2行による合弁金融会社となった。
SBファイナンスは今回の合弁化により、消費者の信任度を一段と高め、ひいては金融包摂推進に貢献すると期待される。三菱UFJ銀行のグローバルな専門知識、アユタヤ銀行のタイにおける消費者向け金融事業首位のノウハウ、SECBの現地市場の知見のシナジー効果により、フィリピン市場での多様な金融商品提供、事業拡大、フィリピン経済回復への貢献を目指す。
なお、三菱UFJ銀行は、連結子会社であるタイのアユタヤ銀行、インドネシアのバンクダナモン、持分法適用会社であるベトナムの大手国営銀行ヴィエティンバンクおよびフィリピンのセキュリティバンクと共に東南アジアのビジネスプラットフォームを構築し、同地域の事業を強化している。今年8月には、カンボジアにおいても、商業銀行ハッタバンクを保有するに至った。
<アユタヤ銀行の概要>
アユタヤ銀行は、タイにおいて75年以上の歴史を有し、同国第5位の資産規模を誇る大手商業銀行である。タイ全国における680を超える独自拠点網および3万3,000を超える販売代理店網を通して、個人顧客から中小・大企業に対して、法人業務、消費者金融を含むリテール業務、投資、資産運用等の包括的な総合金融サービスを展開している。また、アユタヤ銀行およびその子会社は、タイ国内最大のクレジットカード発行体でもある。
<セキュリティバンクの概要>
1951年設立の69年の歴史を有する拡大商業銀行(ユニバーサルバンク)であり、現在307店舗、811台のATMを有する。2020年6月末の総資産は7,404億ペソで、民間銀行7位の規模である。財務内容の良好さで定評があり、総不良債権(NPL)比率は1.58%と銀行業界で最低水準、バーゼル3基準の自己資本比率(CAR)は19.7%、普通株式中核自己資本比率(CET1)は18.8%と業界最高水準となっている。今上半期は、新型コロナの影響で多くの銀行が減益となるなかで、14.3%増益となり、株主資本利益率(ROE)は9.2%と良好、純金利マージン(純金利収入対収益資産比率)は4.7%で首位であった。
フィリピンの民間上位銀行の2020年上半期末の資産等の状況(単位:億ペソ)
(出所:各銀行の事業報告書などより作成)
フィリピン民間上位銀行の2020年上半期末の収益動向(単位:億ペソ)
(出所:各銀行の事業報告書などより作成、ROEとROAは年率換算)
SBファイナンスの主業務は消費者向け融資事業である。これまでSECBがSBファイナンスの株式(1株当たり額面100ペソ)1,408万5,302株(99.54%)を保有してきた。そのうちの707万5,000株(50%)をアユタヤ銀行が取得したのである。アユタヤ銀行は三菱UFJ銀行の連結子会社(2013年出資)であり、SECBは持分適用会社(2016年出資)である。すなわち、SBファイナンスは、三菱UFJ銀行出資のASEAN有力銀行2行による合弁金融会社となった。
SBファイナンスは今回の合弁化により、消費者の信任度を一段と高め、ひいては金融包摂推進に貢献すると期待される。三菱UFJ銀行のグローバルな専門知識、アユタヤ銀行のタイにおける消費者向け金融事業首位のノウハウ、SECBの現地市場の知見のシナジー効果により、フィリピン市場での多様な金融商品提供、事業拡大、フィリピン経済回復への貢献を目指す。
なお、三菱UFJ銀行は、連結子会社であるタイのアユタヤ銀行、インドネシアのバンクダナモン、持分法適用会社であるベトナムの大手国営銀行ヴィエティンバンクおよびフィリピンのセキュリティバンクと共に東南アジアのビジネスプラットフォームを構築し、同地域の事業を強化している。今年8月には、カンボジアにおいても、商業銀行ハッタバンクを保有するに至った。
<アユタヤ銀行の概要>
アユタヤ銀行は、タイにおいて75年以上の歴史を有し、同国第5位の資産規模を誇る大手商業銀行である。タイ全国における680を超える独自拠点網および3万3,000を超える販売代理店網を通して、個人顧客から中小・大企業に対して、法人業務、消費者金融を含むリテール業務、投資、資産運用等の包括的な総合金融サービスを展開している。また、アユタヤ銀行およびその子会社は、タイ国内最大のクレジットカード発行体でもある。
<セキュリティバンクの概要>
1951年設立の69年の歴史を有する拡大商業銀行(ユニバーサルバンク)であり、現在307店舗、811台のATMを有する。2020年6月末の総資産は7,404億ペソで、民間銀行7位の規模である。財務内容の良好さで定評があり、総不良債権(NPL)比率は1.58%と銀行業界で最低水準、バーゼル3基準の自己資本比率(CAR)は19.7%、普通株式中核自己資本比率(CET1)は18.8%と業界最高水準となっている。今上半期は、新型コロナの影響で多くの銀行が減益となるなかで、14.3%増益となり、株主資本利益率(ROE)は9.2%と良好、純金利マージン(純金利収入対収益資産比率)は4.7%で首位であった。
フィリピンの民間上位銀行の2020年上半期末の資産等の状況(単位:億ペソ)
銀行名 | 総資産 | 純資産 | 自己資本比率(CAR) | 預金残高 | 融資残高 | NPL比率 |
BDOユニバンク | 33,177 | 3,675 | 13.82% | 26,074 | 22,733 | 1.95% |
メトロバンク | 23,213 | 3,317 | 19.98% | 17,014 | 13,333 | 1.56% |
BPI | 22,620 | 2,730 | 16.60% | 17,623 | 14,344 | 1.83% |
PNB | 10,825 | 1,543 | 15.86% | 7,907 | 6,026 | 3.08% |
チャイナバンク | 9,823 | 978 | 13.75% | 7,727 | 5,804 | 1.60% |
ユニオンバンク | 7,515 | 988 | 16.00% | 5,104 | 3,516 | 2.10% |
セキュリティバンク | 7,404 | 1,271 | 19.66% | 5,113 | 4,496 | 1.58% |
RCBC | 7,188 | 844 | 13.07% | 4,994 | 4,803 | 2.24% |
フィリピン民間上位銀行の2020年上半期末の収益動向(単位:億ペソ)
銀行名 | 純金利収入 | 伸び率 | 帰属純利益 | 伸び率 | 純金利率 | ROE | ROA |
BDOユニバンク | 664 | 16.6% | 42.9 | -78.7% | 4.36% | 2.27% | 0.26% |
メトロバンク | 444.9 | 21.8% | 91.3 | -29.9% | 4.24% | 5.78% | 0.77% |
BPI | 364 | 12.5% | 116.8 | -15.0% | 3.60% | 8.60% | 1.10% |
PNB | 174.8 | 18.6% | 13.6 | -65.4% | 3.51% | 1.81% | 0.25% |
チャイナバンク | 162.3 | 39.8% | 52.2 | 24.6% | 3.84% | 10.64% | 1.07% |
ユニオンバンク | 138.4 | 40.7% | 45.1 | -5.6% | 4.50% | 9.20% | 1.20% |
セキュリティバンク | 158.4 | 33.7% | 56.6 | 14.3% | 4.71% | 9.23% | 1.48% |
RCBC | 127.9 | 20.4% | 31.1 | 16.9% | 4.28% | 7.43% | 0.86% |