10月ペソ0.2%反発、10カ月間では4.62%上昇

輸入急減、外貨準備1千億ペソ突破等で4年ぶりのペソ高に

2020/11/02

   フィリピン銀行協会(BAP)のペソ対米ドル為替データによると、2020年10月末の終値は1米ドル=48.400ぺソで、前月末から0.095ペソ、率にして0.20%のペソ高となった。

 10月の終値ベースで最もペソ高となったのは9日の1米ドル=48.305ペソ。輸入急減で8カ月間の貿易赤字が46%縮小と発表されたことなどで、終値ベースでは、2016年10月24日の48.190ペソ以来、約4年ぶりのペソ高水準へと上昇した。最もペソ安となったのは、15日の1米ドル=48.680ペソだった。

 2020年年初10カ月間では4.62%のペソ高となっている。月間ベースでペソが下落したのは1月と5月のみである。米国の実質金利の低下、フィリピンの輸入も低迷が続く可能性があることなどから、ペソの対ドルレートは更に上昇する余地があるとの見方が多い。ただし、世界各国での新型コロナウイルス感染再拡大懸念、フィリピン経済を下支えしてきた海外フィリピン人就労者(OFW)からの送金が今年は19年ぶりに減少する可能性が高いことなどから、ペソが一直線に上昇していくと見る向きはほとんどいない。

 ペソ対米ドルレートの動き(年末値/月末値)
時期 年末・月末値 上昇率
2012年 41.050ペソ 6.80%
2013年 44.395ペソ -7.53%
2014年 44.720ペソ -0.73%
2015年 47.060ペソ -4.97%
2016年 49.720ペソ -5.35%
2017年 49.930ペソ -0.42%
2018年 52.580ペソ -5.04%
2019年 50.635ペソ 3.84%
2020年 1月末 50.830ペソ -0.38%
2月末 50.970ペソ -0.27%
3月末 50.680ペソ 0.57%
4月末 50.400ペソ 0.56%
5月末 50.610ペソ -0.41%
6月末 49.830ペソ 1.57%
7月末 49.150ペソ 1.38%
8月末 48.485ペソ 1.37%
9月末 48.495ペソ -0.02%
10月末 48.400ペソ 0.20%
10カ月間 - 4.62%
(出所:フィリピン銀行協会資料より作成)