セブ・パシフィック航空、9カ月間で147億ペソの赤字

前年68億ペソの黒字から悪化、乗客数72%減少

2020/11/13

 フィリピンの格安航空(LCC)最大手であるセブ航空(CEB、ブランド名:セブ・パシフィック航空)は11月11日、2020年第3四半期(7月~9月)及び年初9カ月間の運航実績、並びに事業報告書を公表した。

 3月中旬から実施された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の防疫政策により全営業を停止したが、防疫措置緩和に伴い、6月3日から徐々に営業を再開した。2020年第3四半期の乗客数(完全子会社CEBGOも含む)は前年同期比96.2%減の20万9,187人、客席数(収容能力)は93.9%減の39万3,272席。稼働率は53.2%で、前年同期を31.9%ポイント下回った。一方、便数は87.9%減の4,295便。

 2020年年初9カ月間では、乗客数(完全子会社CEBGOも含む)は前年同期比71.9%減の468万5,841人、客席数(収容能力)は69.2%減の593万1,478席。稼働率は79.0%となり、前年同期を7.5%ポイント下回った。一方、便数は66.3%減の3万6,118便。2020年9月末現在の保有機体数は75機で、前年同期の72機を3機、率にして4.2%上回った。

 CEBグループは、2020年9月30日現在、国内線34路線、国際線8路線、週372便を運航している(COVID-19発生以前は、国内線78路線、国際線25路線、週2,717便を運航)。

 2020年年初9カ月間のグループの収入は前年同期比69.6%減の193億4,000万ペソにとどまった。COVID-19拡大の影響が大きかった。主力の旅客収入は74.5%減の118億9,000万ペソ。便数の66.3%減少で乗客数が71.9%減の469万人と激減したうえ、平均運賃も9.2%減の2,537ペソへと低下したことによる。貨物収入は17%減の35億5,000万ペソ。副業収入は69.3%減の39億ペソ。
 
 一方、営業費用は、COVID-19パンデミックによる業務停止などで、38.7%減の330億6,000万ペソへと減少したが、その減少率は、減収率69.6%を大幅に下回った。その結果、純損益は146億9,000万ペソの赤字となり、前年同期の67億7,000万ペソの黒字から悪化した。

 セブ・パシフィック航空の乗客数・客席数・稼働率の推移(CEBGO含む)
項目 3Q 伸び率 1-9月 伸び率 
2020年 2019年 2020年 2019年
乗客数 209,187 5,466,462 -96.2% 4,685,841 16,679,540 -71.9%
客席数 393,272 6,421,772 -93.9% 5,931,478 19,274,995 -69.2%
客席稼働率 53.2% 85.1% -31.9pts. 79.0% 86.5% -7.5pts.
稼働キロ数(RPK、千km) 199,167 6,083,405 -96.7% 4,917,794 18,467,123 -73.4%
座席キロ数(ASK、千km) 412,329 7,277,627 -94.3% 6,263,390 21,724,212 -71.2%
便数 4,295 35,642 -87.9% 36,118 107,323 -66.3%
機体数(月/期末現在) 75 72 4.2% 75 72 4.2%
(出所:セブ・パシフィック航空の統計より作成、CEBGO:旧タイガーエア・フィリピンズ)

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
客席数(万席) 1,383 1,604 1,752 2,011 2,225 2,225 2,349 2,391 2,601
乗客数(万人) 1,193 1,326 1,435 1,687 1,838 1,913 1,975 2,028 2,247
客席稼働率 86.3% 82.6% 81.9% 83.9% 82.6% 86.0% 84.0% 84.8% 86.4%
  (出所:セブ・パシフィック航空の統計より作成)