野村、BDOとの合弁オンライン証券から撤退

大和証券は首位COLへの15%出資継続

2020/11/27

 野村ホールディングス(野村)は、11月26日、「子会社であるノムラ アジア インベストメント(シンガポール)社が保有するフィリピンのオンライン証券会社(ネット証券)であるBDOノムラ証券株式49%に関して、合弁相手であるBDOユニバンク(BDO)の子会社であるBDOキャピタル&インベストメントへの売却が完了した」と発表した。

 野村は2016年、フィリピンの最大銀行BDO(本店:マニラ首都圏マカティ市)との合弁証券会社であるBDOノムラ証券を通じて、フィリピン証券取引所(PSE)上場企業の株式オンライン取引サービスを開始した。当時野村は、「総資産規模等においてフィリピン最大の金融機関であるBDOと協業することにより現地資本市場の発展に貢献するとともに、フィリピンにおける収益基盤の構築、および野村グループのプレゼンスの向上を図る。そして、高い成長が期待できるフィリピン・オンショア市場でのビジネスを拡大することにより、アジアにおけるホールセール及びリテールビジネスの相乗効果の更なる創出を目指す」と表明していた。

 しかし、今年6月にBDOグループとのオンライン証券合弁事業解消を決定、BDOグループへBDOノムラ証券株式49%全て売却することに関し、基本事項に合意した。そして最終的な合意ならびに規制当局による承認を得て、今回の売却完了に至った。BDOノムラの証券の社名も規制当局の承認後に変更される予定である。

 一方、大和証券グループ本社(大和証券グループ)は、2017年4月、フィリピンにおけるオンライン証券業務のリーディングカンパニーであるCOLフィナンシャルズ・グループ(COL、本社:マニラ首都圏パシグ市)の株式14.9%を取得した。COLは1999年に設立され、フィリピンにおけるオンライン証券口座数で最大のシェアを占めている。
 
 ちなみに、フィリピン証券取引所(PSE)によると、2019年末の株式取引口座(証券口座)数は前年末比12.7%増の122万8,038。そのうち、オンライン証券口座数は同25%増の78万2,118、全体の63.7%を占めるに至った(前年末は57%)。