11月の株価7%続伸も11カ月間では13%の下落
金融株23%下落、外国人1,202億ペソの売り越し
2020/12/02
フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の2020年11月末終値は6,791.46ポイントとなり、前月末と比べて7.39%上昇、月間ベースで2カ月連続の上昇となった。
11月上旬は6,000ポイント台で推移。その後、米国など主要市場の急騰を受け、10日に終値で7,000ポイント台を回復したが、12日の台風襲来による休場後6,000ポイント台へと反落した。その後、海外での新型コロナワクチン開発進展報道などを背景に、18日に7,000ポイント台を再び回復、23日には終値で月間最高値の7,178.62ポイントで引けたが、月末にかけて利益確定の動きが活発化、11月の終値は7,000台割れとなった。
2020年年初11カ月では、PSEiは13.10%の下落となった。世界的な新型コロナ拡大やその対策としての地域隔離措置発動などで、3月に一時4,000ポイント台まで下落した後、回復基調となってはいるが、フィリピンでの新型コロナ感染拡大ピッチが高まったこと、主要国市場での急反騰の牽引役になっている有力IT企業や医薬品・バイオ企業が見当たらないこととで、回復ピッチは主要国市場に見劣りがする。
11カ月間の大分類セクター別指数動向については、鉱業・石油株(+4.74%)を除き、軒並み下落。下落率の大きい順に、金融株(-23.41%)、不動産株(-17.90%)、持株会社株(-8.71%)、工業株指数(-7.10%)、サービス業株(-2.02%)となっている。金融株や不動産株が相場全体の下落を主導している。
11カ月間の1日当たり平均売買額は前年同期比2%減の71億7,800万ペソであった。外国人は1,201億5,800万ペソの売り越しで、前年同期の約56億2,900万ペソから売り越し額が21.3倍と急拡大した。外国人の売買額シェアは47%で、前年同期の55%から低下した。11月末のPSE時価総額は15兆1,829億ペソ、そのうち国内企業時価総額が12兆5,688億ペソであった。
なおPSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は20.42倍となり、前年同期末の16.49倍、前年末の16.52倍から大幅に上昇した。上場企業の足許の業績急悪化を反映する結果となっている。
PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成、株価収益率はPSE基準算出数値)
11月上旬は6,000ポイント台で推移。その後、米国など主要市場の急騰を受け、10日に終値で7,000ポイント台を回復したが、12日の台風襲来による休場後6,000ポイント台へと反落した。その後、海外での新型コロナワクチン開発進展報道などを背景に、18日に7,000ポイント台を再び回復、23日には終値で月間最高値の7,178.62ポイントで引けたが、月末にかけて利益確定の動きが活発化、11月の終値は7,000台割れとなった。
2020年年初11カ月では、PSEiは13.10%の下落となった。世界的な新型コロナ拡大やその対策としての地域隔離措置発動などで、3月に一時4,000ポイント台まで下落した後、回復基調となってはいるが、フィリピンでの新型コロナ感染拡大ピッチが高まったこと、主要国市場での急反騰の牽引役になっている有力IT企業や医薬品・バイオ企業が見当たらないこととで、回復ピッチは主要国市場に見劣りがする。
11カ月間の大分類セクター別指数動向については、鉱業・石油株(+4.74%)を除き、軒並み下落。下落率の大きい順に、金融株(-23.41%)、不動産株(-17.90%)、持株会社株(-8.71%)、工業株指数(-7.10%)、サービス業株(-2.02%)となっている。金融株や不動産株が相場全体の下落を主導している。
11カ月間の1日当たり平均売買額は前年同期比2%減の71億7,800万ペソであった。外国人は1,201億5,800万ペソの売り越しで、前年同期の約56億2,900万ペソから売り越し額が21.3倍と急拡大した。外国人の売買額シェアは47%で、前年同期の55%から低下した。11月末のPSE時価総額は15兆1,829億ペソ、そのうち国内企業時価総額が12兆5,688億ペソであった。
なおPSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は20.42倍となり、前年同期末の16.49倍、前年末の16.52倍から大幅に上昇した。上場企業の足許の業績急悪化を反映する結果となっている。
PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% |
2013年 | 5,889.83ポイント | 1.33% |
2014年 | 7,230.57ポイント | 22.76% |
2015年 | 6,952.08ポイント | -3.85% |
2016年 | 6,840.64ポイント | -1.60% |
2017年 | 8,558.42ポイント | 25.11% |
2018年 | 7,466.02ポイント | -12.76% |
2019年 | 7,815.26ポイント | 4.68% |
2020年 1月末 | 7,200.79ポイント | -7.86% |
2月末 | 6,787.91ポイント | -5.73% |
3月末 | 5,321.23ポイント | -21.61% |
4月末 | 5,700.71ポイント | 7.13% |
5月末 | 5,838.84ポイント | 2.42% |
6月末 | 6,207.72ポイント | 6.32% |
7月末 | 5,928.45ポイント | -4.50% |
8月末 | 5,884.18ポイント | -0.75% |
9月末 | 5,864.23ポイント | -0.34% |
10月末 | 6,324.00ポイント | 7.84% |
11月末 | 6,791.46ポイント | 7.39% |
11カ月間 | - | -13.10% |
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
項目 | 17年 | 18年 | 19年 | 20年11月末 | 11カ月上昇率 |
フィリピン証券取引所指数 | 25.11% | -12.76% | 4.68% | 6,791.46 | -13.10% |
全株指数 | 20.06% | -9.46% | 2.92% | 4,100.28 | -11.82% |
金融株指数 | 34.71% | -20.19% | 4.71% | 1,427.29 | -23.41% |
工業株指数 | 5.46% | -2.49% | -12.02% | 8,950.75 | -7.10% |
持株会社株指数 | 23.23% | -14.79% | 3.41% | 6,931.07 | -8.71% |
不動産株指数 | 29.73% | -8.80% | 14.51% | 3,411.02 | -17.90% |
サービス業株指数 | 24.33% | -10.94% | 6.13% | 1,500.21 | -2.02% |
鉱業・石油株指数 | -3.00% | -28.71% | -1.32% | 8,475.40 | 4.74% |
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
項目 | 17年 | 18年 | 19年 | 20年11月末 |
フィリピン証券取引所指数 | 8,558.42 | 7,466.02 | 7,815.26 | 6,791.46 |
年末時価総額(億ペソ) | 175,831 | 161,467 | 167,053 | 151,829 |
国内企業時価総額 | 144,908 | 135,437 | 139,468 | 125,688 |
外国企業時価総額 | 30,923 | 26,030 | 27,585 | 26,141 |
1日平均売買額(億ペソ) | 81 | 71 | 73 | 72 |
外国人の売買額シェア | 50% | 51% | 55% | 47% |
外国人買越額(億ペソ) | 562 | -609 | -145 | -1,202 |
PER(株価収益率) | 22.27倍 | 17.89倍 | 16.52倍 | 20.42倍 |