民間建築認可件数、第3四半期35%減少

2万9千件に、認可総額49%減の640億ペソ

2020/12/18

 フィリピン統計庁(PSA)は12月16日、2020年第3四半期(7月~9月)の民間建築統計速報値(認可済み建築許可申請から抽出)を発表した。当四半期は、最も厳しい防疫措置「強化された地域隔離(ECQ)」の緩和に伴い段階的に経済活動が再開され、建設業界も徐々に動き出した。

 2020年第3四半期の建築認可件数は、フィリピン全土で、前年同期比(以下同様)35.3%減の2万8,696件だった。タイプ別内訳は、住宅が37.2%減の2万0,178件(シェア70.3%)、非住宅が34.3減の4,490件(同15.6%)、増改築・修繕が25.3%減の4,028件(同14.1%)。住宅の建設認可件数では、一戸建住宅が最も多い1万7,294件と住宅認可の85.7%占めた。コンドミニアムは9件と前年同期から80.4%減少した。

 建築認可件数の上位5地域は、1.カラバルソン地域:5,635件(シェア19.6%)、2.中央ルソン地域:4,009件(同14.0%)、3.イロコス地域:3,701件(同12.9%)、4.中央ビサヤ地域:3,350件(同11.7%)、5.ダバオ地域:2,206件(同7.7%)で、全体の66%を占めた。

 建築認可総額は49.4%減の640億ペソ。タイプ別内訳は、住宅が46.0%減の289億ペソ(シェア45.2%)、非住宅が53.0%減の302億ペソ(同47.2%)、増改築・修繕は43.1%減の49億ペソ。

 建築認可額の上位3地域は、1.首都圏(NCR):153億ペソ(シェア23.8%)、1.カラバルソン地域:101億ペソ(同15.7%)、2.中央ルソン地域:97億ペソ(同15.1%)。

 1平米(㎡)当り平均建築コストは住宅が1.2%増の1万0,435ペソ、非住宅は7.7%減の1万0,670ペソにとどまった。

 非住宅建築認可件数(4,490件)のうち、商業施設の認可件数は32.1%減の2,857件で非住宅建設認可全体の63.6%を占めた。商業施設の建築認可総額は61.8%減の144億3,500万ペソ、総床面積は56.7%減の141万3,000平米(㎡)、1㎡当り平均建築コストは11.9%減の1万0,218ペソだった。

 民間建築認可統計(伸び率は2020年3Q/2019年3Qの比較)
タイプ 2020年3Q 2020年2Q 2019年3Q 伸び率(%)
合計
件数 28,696 17,112 44,376 -35.3
床面積(千㎡) 5,656 2,711 10,885 -48.0
総額(百万ペソ) 64,019 26,954 126,496 -49.4
住宅
件数 20,178 12,854 32,148 -37.2
床面積(千㎡) 2,773 1,406 5,200 -46.7
総額(百万ペソ) 28,941 13,485 53,621 -46.0
1㎡当たり建築コスト(ペソ) 1,0435 9,590 10,312 1.2
非住宅
件数 4,490 2,438 6,836 -34.3
床面積(千㎡) 2,824 1,284 5,502 -48.7
総額(百万ペソ) 30,195 12,744 64,289 -53.0
1㎡当たり建築コスト(ペソ) 10,670 9,883 11,566 -7.7
増改築・修繕
件数 4,028 1,820 5,392 -25.3
総額(百万ペソ) 4,882 725 8,586 -43.1
(出所:フィリピン統計庁産業統計部資料より作成、2020年2Qは改訂値)
注:認可された建築許可申請から建築統計データを抽出