輸入車に対するセーフガード暫定措置発動へ

乗用車7万ペソ、小型商用車11万ペソ

2021/01/05

 フィリピン貿易産業省(DTI)は、輸入自動車の増加が国内市場に深刻な損害を与えると認め、輸入乗用車及び小型商用車に対しセーフガード(緊急関税制度)暫定措置を発動する方針である。

 ロペス貿易産業相は1月4日、セーフガード(SG)措置の賦課は、輸入乗用車1台につき7万ペソ、輸入小型商用車1台につき11万ペソになると発表した。

 同相は、「フィリピンはASEAN諸国に比べて最も開かれた市場の一つであり、通常、市場に出回る製品を制限することはないが、地元産業の公平な競争条件を確保する必要もある」と説明した。

 セーフガード措置の賦課は現金担保の形で行われる。セーフガード暫定措置は、関税局長による命令発付から200日間、及び、関税委員会による正式な調査下にある事例に対し有効となる。

 DTIの調査によると、乗用車の輸入は2014年から2018年までの調査期間に平均35%増加したが、国内生産に対する輸入の割合は、輸入が2014年の295%から2018年には349%国内生産を上回った。ピックアップトラックを含む軽商用車の輸入は2014年の1万7,273台から2018年には5万1,969台に急増した。同様に、国内生産に対する輸入の割合も2015年の645%から2018年には1,364%に急増している。

 DTIは、2019年7月のいすゞフィリピンによるピックアップトラック「D-Max」の現地生産中止・輸入への切り替え、2020年第1四半期のホンダカーズ フィリピン(HCPI)の現地生産全面停止などがフィリピン経済や雇用に影響を及ぼしているとコメントしている。