20年のM&A申請、26件で総額9,090億ペソに

前年の7,580億ペソから20%増、日系企業案関連件も

2021/01/08

 フィリピン競争委員会(PCC)は、このほど、「M&A報告書」2020年版を公表した。

 それによると、2020年に申請されたM&A案件は26件(PCCに届け出義務のある24億ペソ以上の案件、以下同様)、総額で9,090億ペソであった。2019年は44件、総額7,580億ペソであり、2020年は件数で前年比41%減少したが、総額は20%増加した。新型コロナウイルス感染拡大やその対策としての地域隔離措置という状況下で、かなり高水準であったといえよう。

 26件のち、20件が承認、2件が却下、1件が撤回、3件が継続審査という結果となった。撤回されたのは、サンミゲルとラファージュホルシムとの間で交渉されていた、サンミゲルによるホルシム・フィリピンを買収するという案件(総額21億5千万ドル)であった。

 承認された案件の中には、丸紅の100%子会社であるAXIAパワーホールディングス(AXIA)による、リサール州ピリーリャの150メガワットのディーゼル火力発電所事業(イングリッドプロジェクト)を推進するACエナジー フィリピンの子会社である特別目的会社イングリッドパワー ホールディングスへの出資案件が含まれている。

 また、三菱商事グループによるマカティ市オフィスビル「センチュリーダイヤモンドタワー」権益40%のセンチュリーシティ デベロップメント社への売却、三菱UFJが20%出資するセキュリティバンク(SECB)の金融子会社であるSBファイナンスの株式50%のタイのバンク オブ アユタヤ(アユタヤ銀行、三菱UFJ銀行の子会社)への売却、トヨタカローラ札幌によるトヨタモーター フィリピンの販社であったトヨタ サンタロサへの40%出資などの日系企業関連案件が含まれている。