サンミゲル、金融・証券分野でも存在感際立つ
証券取引所(PSE)の大株主、債券取引所にも出資
2021/01/19
フィリピン最大級のコングロマリットとなったサンミゲル(SMC)は、金融関連分野にも参入、既に大きな実績を残している。
有力銀行のバンク オブ コマース(BOC)を擁しているほか、下記のように、フィリピン証券取引所(PSE)の大株主でもある。また、債券や固定利付き商品の上場、売買等を行う電子取引所(PDEx)を運営するフィリピン ディーリング システム ホールディングス社(PDS)の株主(4%保有)となっている。更に、2020年の12月3日開催の取締役会において、ペトロジェン インシュアランス(ペトロジェン)に30億ペソ出資することを決議した。ペトロジェンは、現在、サンミゲル傘下の石油元売り最大手ペトロンの100%子会社であるが、サンミゲルが直接出資することになる。
フィリピン証券取引所(PSE)は、1月18日、2020年12月末のPSE主要株主名簿を公表した。PSE上場企業は四半期ごとに主要株主に関する報告を義務づけられている。PSE自身もPSEに上場(上場日は2003年12月15日)しており、他の上場企業と同様な情報公開義務がある。
近年、フィリピンでも株式の電子化、スクリップレス化が進展し、証書の株券での保有は非常に少なくなっている。そして、ほとんどの株式は、証券会社など金融機関経由で中央証券保管機構(PCD)に電子登録され、PCDの子会社PCDノミニー社によって名目上一括保有・管理されている。
現在の主要株式報告においては、当然のことながら、多くの株主の株式を名目上一括保有するPCDノミニー社が筆頭株主となりがちである。最終的な株主の名前が個別で記載されるのは、古くから証書形式で株券を保有する株主が、PCDへの電子登録にシフトしないでそのまま株券として保有し続けているケースなどである。PCDノミニー社の内訳も発表されるが、PCDに口座を有する証券会社など金融機関別の表示だけ(株券保有以外の最終株主の保有株数はそれを直接預け入れている金融機関の保有数に反映されるのみ)である。したがって、通常の公表資料からだけでは最終株主の保有株数や比率の把握は非常に難しくなっている。
2020年12月末時点でのPSE主要株主名簿の1位(筆頭株主)とその保有株数は、PCDノミニー社(フィリピン人分)5,879万5,543株(保有比率72.06%)となっている。そして、第2位がサンミゲル退職プランの755万5,200株(同9.26%)、第3位がPCDノミニー社(外国人分)の371万7,731株(同4.57%)、第4位がフリーマン トレーディング社の100万株(同1.23%)、第5位がBA証券の81万3,660株(1.00%)などと続く。
すなわち、個別名義が特定されている単独筆頭株主はサンミゲル退職プランといえる。これは、上記のようにサンミゲル退職プランによる証書での株券保有分と考えられる。PCDの個別名称が記されていない分なども含めると、サンミゲル・グループのPSE保有比率は9.26%よりかなり高いようだ。
また、フィリピン長距離電話(PLDT)ベネフィシャル トラストファンド(PLDTBTF)を窓口とするPLDTグループもPSEの大口株主のようだ。ちなみに、PSEは2004年に私募方式で16.75%相当の新株を発行したが、売却先はサンミゲル退職基金、PLDTBTF、公務員年金・保障基金(GSIS)などであった。
有力銀行のバンク オブ コマース(BOC)を擁しているほか、下記のように、フィリピン証券取引所(PSE)の大株主でもある。また、債券や固定利付き商品の上場、売買等を行う電子取引所(PDEx)を運営するフィリピン ディーリング システム ホールディングス社(PDS)の株主(4%保有)となっている。更に、2020年の12月3日開催の取締役会において、ペトロジェン インシュアランス(ペトロジェン)に30億ペソ出資することを決議した。ペトロジェンは、現在、サンミゲル傘下の石油元売り最大手ペトロンの100%子会社であるが、サンミゲルが直接出資することになる。
フィリピン証券取引所(PSE)は、1月18日、2020年12月末のPSE主要株主名簿を公表した。PSE上場企業は四半期ごとに主要株主に関する報告を義務づけられている。PSE自身もPSEに上場(上場日は2003年12月15日)しており、他の上場企業と同様な情報公開義務がある。
近年、フィリピンでも株式の電子化、スクリップレス化が進展し、証書の株券での保有は非常に少なくなっている。そして、ほとんどの株式は、証券会社など金融機関経由で中央証券保管機構(PCD)に電子登録され、PCDの子会社PCDノミニー社によって名目上一括保有・管理されている。
現在の主要株式報告においては、当然のことながら、多くの株主の株式を名目上一括保有するPCDノミニー社が筆頭株主となりがちである。最終的な株主の名前が個別で記載されるのは、古くから証書形式で株券を保有する株主が、PCDへの電子登録にシフトしないでそのまま株券として保有し続けているケースなどである。PCDノミニー社の内訳も発表されるが、PCDに口座を有する証券会社など金融機関別の表示だけ(株券保有以外の最終株主の保有株数はそれを直接預け入れている金融機関の保有数に反映されるのみ)である。したがって、通常の公表資料からだけでは最終株主の保有株数や比率の把握は非常に難しくなっている。
2020年12月末時点でのPSE主要株主名簿の1位(筆頭株主)とその保有株数は、PCDノミニー社(フィリピン人分)5,879万5,543株(保有比率72.06%)となっている。そして、第2位がサンミゲル退職プランの755万5,200株(同9.26%)、第3位がPCDノミニー社(外国人分)の371万7,731株(同4.57%)、第4位がフリーマン トレーディング社の100万株(同1.23%)、第5位がBA証券の81万3,660株(1.00%)などと続く。
すなわち、個別名義が特定されている単独筆頭株主はサンミゲル退職プランといえる。これは、上記のようにサンミゲル退職プランによる証書での株券保有分と考えられる。PCDの個別名称が記されていない分なども含めると、サンミゲル・グループのPSE保有比率は9.26%よりかなり高いようだ。
また、フィリピン長距離電話(PLDT)ベネフィシャル トラストファンド(PLDTBTF)を窓口とするPLDTグループもPSEの大口株主のようだ。ちなみに、PSEは2004年に私募方式で16.75%相当の新株を発行したが、売却先はサンミゲル退職基金、PLDTBTF、公務員年金・保障基金(GSIS)などであった。