1月の株価7.4%下落、3カ月ぶりの安値水準に
外国人シェア25%へ急低下、売越額79%増の135億ペソ
2021/02/02
フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の2021年1月末終値は6,612.62ポイントとなり、前月末と比べて7.38%下落した。
1月上旬は、主要国での新型コロナワクチン開発進展報道、それに伴う主要国株式市場の上昇、フィリピン経済や企業業績の底打ち期待などを背景に堅調に推移した。11日には一時7,400台にまで上昇、終値ベースで月間最高の7,304.79ポイントを記録した。しかし、その後は、新型コロナ変異種に対する懸念、2020年のGDPが9.5%減少と過去最悪の落ち込みとなったこと、月末にかけての米国株式市場の高値波乱の影響等により、反落基調となった
特に最終日の29日は、前日比約239ポイント、率にして3.5%急落、2020年11月4日の6,464.05ポイント以来、約3カ月ぶりの安値に落ち込んだ。この29日の終値が月間での最安値となった。新型コロナ感染対策として地域隔離措置が発動された2020年3月からの戻りは、主要国市場に比べかなり見劣りがする。地域隔離措置の影響が大きいことに加え、先進国市場での上昇の牽引役となってきた有力IT企業や有力医薬品・バイオ企業がPSEには見当たらないことも、戻りの鈍さの要因の一つと考えられる。
1月の大分類セクター別指数は、軒並み下落となった。下落率の大きい順に、鉱業・石油株(-14.07%)、持株会社株(-8.32%)、工業株指数(-8.16%)、不動産株(-7.96%)、金融株(-4.79%)、サービス業株(-4.22%)となっている。
1月の外国人は134億9,400万ペソの売り越しで、売り越し額は、前年同月の75億3,400万ペソから79%拡大した。一方、外国人の売買額シェアは25%で、前年同月の57%から急低下した。1月末のPSE時価総額は15兆2,985億ペソ、そのうち国内企業時価総額が12兆3,123億ペソであった。なおPSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は23.09倍となり、前年同月末の14.74倍から大幅上昇した。
PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成、株価収益率はPSE基準算出数値)
1月上旬は、主要国での新型コロナワクチン開発進展報道、それに伴う主要国株式市場の上昇、フィリピン経済や企業業績の底打ち期待などを背景に堅調に推移した。11日には一時7,400台にまで上昇、終値ベースで月間最高の7,304.79ポイントを記録した。しかし、その後は、新型コロナ変異種に対する懸念、2020年のGDPが9.5%減少と過去最悪の落ち込みとなったこと、月末にかけての米国株式市場の高値波乱の影響等により、反落基調となった
特に最終日の29日は、前日比約239ポイント、率にして3.5%急落、2020年11月4日の6,464.05ポイント以来、約3カ月ぶりの安値に落ち込んだ。この29日の終値が月間での最安値となった。新型コロナ感染対策として地域隔離措置が発動された2020年3月からの戻りは、主要国市場に比べかなり見劣りがする。地域隔離措置の影響が大きいことに加え、先進国市場での上昇の牽引役となってきた有力IT企業や有力医薬品・バイオ企業がPSEには見当たらないことも、戻りの鈍さの要因の一つと考えられる。
1月の大分類セクター別指数は、軒並み下落となった。下落率の大きい順に、鉱業・石油株(-14.07%)、持株会社株(-8.32%)、工業株指数(-8.16%)、不動産株(-7.96%)、金融株(-4.79%)、サービス業株(-4.22%)となっている。
1月の外国人は134億9,400万ペソの売り越しで、売り越し額は、前年同月の75億3,400万ペソから79%拡大した。一方、外国人の売買額シェアは25%で、前年同月の57%から急低下した。1月末のPSE時価総額は15兆2,985億ペソ、そのうち国内企業時価総額が12兆3,123億ペソであった。なおPSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は23.09倍となり、前年同月末の14.74倍から大幅上昇した。
PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% |
2013年 | 5,889.83ポイント | 1.33% |
2014年 | 7,230.57ポイント | 22.76% |
2015年 | 6,952.08ポイント | -3.85% |
2016年 | 6,840.64ポイント | -1.60% |
2017年 | 8,558.42ポイント | 25.11% |
2018年 | 7,466.02ポイント | -12.76% |
2019年 | 7,815.26ポイント | 4.68% |
2020年 | 7,139.71ポイント | -8.64% |
2021年 1月末 | 6,612.62ポイント | -7.38% |
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
項目 | 17年 | 18年 | 19年 | 20年 | 21年1月末 | 上昇率 |
フィリピン証券取引所指数 | 25.11% | -12.76% | 4.68% | -8.64% | 6,612.62 | -7.38% |
全株指数 | 20.06% | -9.46% | 2.92% | -8.11% | 4,007.33 | -6.21% |
金融株指数 | 34.71% | -20.19% | 4.71% | -22.32% | 1,378.35 | -4.79% |
工業株指数 | 5.46% | -2.49% | -12.02% | -2.51% | 8,627.00 | -8.16% |
持株会社株指数 | 23.23% | -14.79% | 3.41% | -3.13% | 6,742.39 | -8.32% |
不動産株指数 | 29.73% | -8.80% | 14.51% | -11.80% | 3,372.87 | -7.96% |
サービス業株指数 | 24.33% | -10.94% | 6.13% | -1.11% | 1,450.27 | -4.22% |
鉱業・石油株指数 | -3.00% | -28.71% | -1.32% | 17.75% | 8,187.82 | -14.07% |
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
項目 | 17年 | 18年 | 19年 | 20年 | 21年1月末 |
フィリピン証券取引所指数 | 8,558.42 | 7,466.02 | 7,815.26 | 7,139.71 | 6,612.62 |
年末時価総額(億ペソ) | 175,831 | 161,467 | 167,053 | 158,889 | 152,985 |
国内企業時価総額 | 144,908 | 135,437 | 139,468 | 130,994 | 123,123 |
外国企業時価総額 | 30,923 | 26,030 | 27,585 | 27,895 | 29,862 |
1日平均売買額(億ペソ) | 81 | 71 | 73 | 73 | 110 |
外国人の売買額シェア | 50% | 51% | 55% | 45% | 25% |
外国人買越額(億ペソ) | 562 | -609 | -145 | -1,287 | -135 |
PER(株価収益率) | 22.27倍 | 17.89倍 | 16.52倍 | 24.88倍 | 23.09倍 |