20年末の政府負債、コロナで27%増の9.8兆ペソへ急増

保証債務含むと10.3兆ペソ、対GDP比54.5%へ急上昇

2021/02/03

 フィリピン財務局によると、2020年末の政府負債残高(速報値)は前年末比26.7%増の9兆7,950億ペソと大幅増加した。ただし、11月末のレベルからは3,390億5,000万ペソ、率にして3.3%減少した。

 政府負債が2019年末から大幅に増加した理由は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックに対処するための資金需要が活発となったことによる。同パンデミックに起因する経済の混乱で、負債対GDP比率は54.5%と、前年末の39.6%から大幅上昇した。

 政府負債残高のうち対内負債残高は前月末比6.9%減、前年末比30.6%増の6兆6,947億ペソ(シェア68.3%)。一方、対外負債残高は前月末比5.4%増、前年末比19.1%増の3兆1,003億ペソ(シェア31.7%)。

 12月末の政府保証債務残高は前月末比3.5%増、前年同月末比6.2%減の4,583億ペソ。その結果、保証債務を加えた実質政府負債残高は、前年同月末比24.7%増の10兆2,534億ペソと、10兆ペソの大台を突破した。

 フィリピン政府の負債残高推移(単位:億ペソ)
項目 17年末 18年末 19年末 2020年末 対前月末伸率 対前年末伸率
政府負債残高 66,524 72,925 77,313 97,950 -3.3% 26.7%
 対GDP比 40.2% 39.9% 39.6% 54.5% - -
 対内負債残高 44,413 47,769 51,276 66,947 -6.9% 30.6%
 対外負債残高 22,112 25.156 26,037 31,003 5.4% 19.1%
保証債務残高 4,781 4,876 4,887 4,583 3.5% -6.2%
実質負債残高 71,305 77,801 82,200 102,534 -3.1% 24.7%
(出所:比財務省資料より作成、12月末の為替レート:1ドル=48.021ペソ)