2020年のOFW送金額0.8%減、19年ぶりの減少
一時の二桁減少からは急回復、日本からの送金第4位に
2021/02/16
フィリピン中央銀行(BSP)対外収支データによると国際通貨基金(IMF)の「国際収支国際投資ポジションマニュアル」(BPM第6版)に準拠した包括的OFW送金データ(銀行経由現金送金+帰国時持参分+非現金型資産贈与含む)によると、12月の包括的フィリピン人海外就労者(OFW)本国送金額(速報値)は前年同月比0.3%減の32億0,500万米ドルと小幅に減少した。
2020年累計では前年比0.8%減の331億9,400万米ドルにとどまった。しかしながら、OFW送金は依然としてフィリピンの主要な外貨流入源であり、国内総生産(GDP)の9.2%、国民総所得(GNI)の8.5%を占めている。
ただし、情報筋による送金データにはある程度の制約がある。海外の様々な都市の送金センターの一般的なやり方として、コルレス銀行を通じて送金を処理するが、コルレス銀行の大部分が米国にある。また、マネークーリエ(現金宅配)サービスを通じて処理された送金は、実際の送金の出所(国)によって分類できない。
包括的OFW送金額 (単位:百万米ドル、対前年伸び率:%)
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成、2020年は速報値)
月別包括的OFW送金額推移 (単位:百万米ドル、対前年同月伸び率:%)
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成、2020年は速報値)
一方、中央銀行が把握している公式銀行ルートによるOFW現金送金額(速報値)に関しては、2020年12月は前年同月比0.4%減の28億9,000万米ドルと小幅に減少した。陸上ベースのOFWからの送金額は0.7%減の22億9,700万米ドル、海上ベースのOFWからは0.8%増の5億9,320万米ドルだった。
2020年累計では、前年比0.8%減の299億0,300万米ドル。そのうち、陸上ベースのOFWからの送金額は0.2%減の235億5,000万米ドル、海上ベースのOFWからは2.8%減の63億5,400万米ドルであった。
なお、OFW送金額(長期間の記録の残る銀行経由経由ベース)は2002年から2019年まで18年連続で前年比増加、2003年からは17年連続で過去最高額を更新、2015年までの13年連続での経常収支黒字の立役者となった。しかし上記のように、2020年に関しては、新型コロナウイルス感染拡大などの影響で、2001年の0.3%減少以来、19年ぶりの減少となった。ただし、4月の16.2%減少、5月の19.3%減少という急減ペースからは急回復、11月まで3カ月連続で前年比プラスを記録した。
年間の送金元の国別動向については、1位が米国で前年比5.5%増の119億3,600万米ドル(シェア39.9%)、2位シンガポールの12.7%増の21億4,800万米ドル(7.2%)、3位サウジアラビアの13.7%減の18億1,200万米ドル(6.1%)、4位日本の12.2%減の15億7,700万米ドル(5.3%)、5位英国の12.5%減の13億7,100万米ドル(4.6%)、6位アラブ首長国連邦(UAE)の19.2%減の12億8,700万米ドル(4.3%)、7位カナダの1.3%増の10億2,900万米ドル(3.4%)、8位香港の2.4%増の8億2,100万米ドル(2.7%)、9位カタールの8.2%増の8億2,000万米ドル(2.7%)、10位韓国の3.6%増の7億0,800万米ドル(2.4%)。これら10カ国で送金全体の78.6%を占めた。
OFWからの銀行経由送金額推移 (単位:百万米ドル、対前年伸び率:%)
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成、2020年は速報値)
月別OFWからの銀行経由送金額推移 (単位:百万米ドル、対前年同月伸び率:%)
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成、2020年は速報値)
2020年累計では前年比0.8%減の331億9,400万米ドルにとどまった。しかしながら、OFW送金は依然としてフィリピンの主要な外貨流入源であり、国内総生産(GDP)の9.2%、国民総所得(GNI)の8.5%を占めている。
ただし、情報筋による送金データにはある程度の制約がある。海外の様々な都市の送金センターの一般的なやり方として、コルレス銀行を通じて送金を処理するが、コルレス銀行の大部分が米国にある。また、マネークーリエ(現金宅配)サービスを通じて処理された送金は、実際の送金の出所(国)によって分類できない。
包括的OFW送金額 (単位:百万米ドル、対前年伸び率:%)
項目 | 年間推移 | |||||
年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 |
送金額 | 28,308 | 29,706 | 31,288 | 32,213 | 33,467 | 33,194 |
伸び率 | 3.8 | 4.9 | 5.3 | 3.0 | 3.9 | -0.8 |
月別包括的OFW送金額推移 (単位:百万米ドル、対前年同月伸び率:%)
年 | 19年 | 2020年 | |||||||||||
月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
送金額 | 3,216 | 2,944 | 2,623 | 2,652 | 2,276 | 2,341 | 2,737 | 3,085 | 2,756 | 2,888 | 3,044 | 2,643 | 3,205 |
伸び率 | 1.9 | 7.3 | 2.6 | -5.2 | -16.1 | -19.2 | 7.6 | 7.6 | -4.2 | 9.1 | 2.5 | 0.1 | -0.3 |
一方、中央銀行が把握している公式銀行ルートによるOFW現金送金額(速報値)に関しては、2020年12月は前年同月比0.4%減の28億9,000万米ドルと小幅に減少した。陸上ベースのOFWからの送金額は0.7%減の22億9,700万米ドル、海上ベースのOFWからは0.8%増の5億9,320万米ドルだった。
2020年累計では、前年比0.8%減の299億0,300万米ドル。そのうち、陸上ベースのOFWからの送金額は0.2%減の235億5,000万米ドル、海上ベースのOFWからは2.8%減の63億5,400万米ドルであった。
なお、OFW送金額(長期間の記録の残る銀行経由経由ベース)は2002年から2019年まで18年連続で前年比増加、2003年からは17年連続で過去最高額を更新、2015年までの13年連続での経常収支黒字の立役者となった。しかし上記のように、2020年に関しては、新型コロナウイルス感染拡大などの影響で、2001年の0.3%減少以来、19年ぶりの減少となった。ただし、4月の16.2%減少、5月の19.3%減少という急減ペースからは急回復、11月まで3カ月連続で前年比プラスを記録した。
年間の送金元の国別動向については、1位が米国で前年比5.5%増の119億3,600万米ドル(シェア39.9%)、2位シンガポールの12.7%増の21億4,800万米ドル(7.2%)、3位サウジアラビアの13.7%減の18億1,200万米ドル(6.1%)、4位日本の12.2%減の15億7,700万米ドル(5.3%)、5位英国の12.5%減の13億7,100万米ドル(4.6%)、6位アラブ首長国連邦(UAE)の19.2%減の12億8,700万米ドル(4.3%)、7位カナダの1.3%増の10億2,900万米ドル(3.4%)、8位香港の2.4%増の8億2,100万米ドル(2.7%)、9位カタールの8.2%増の8億2,000万米ドル(2.7%)、10位韓国の3.6%増の7億0,800万米ドル(2.4%)。これら10カ国で送金全体の78.6%を占めた。
OFWからの銀行経由送金額推移 (単位:百万米ドル、対前年伸び率:%)
項目 | 年間推移 | |||||
年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 |
送金額 | 25,607 | 26,900 | 28,060 | 28,943 | 30,133 | 29.903 |
伸び率 | 4.0 | 5.0 | 4.3 | 3.1 | 4.1 | -0.8 |
月別OFWからの銀行経由送金額推移 (単位:百万米ドル、対前年同月伸び率:%)
年 | 19年 | 2020年 | |||||||||||
月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
送金額 | 2,902 | 2,648 | 2,358 | 2,397 | 2,046 | 2,106 | 2,465 | 2,783 | 2,483 | 2,601 | 2,747 | 2,379 | 2,890 |
伸び率 | 1.9 | 6.6 | 2.5 | -4.7 | -16.2 | -19.3 | 7.7 | 7.8 | -4.1 | 9.3 | 2.9 | 0.3 | -0.4 |