2月のペソ1.05%続落、2カ月間で1.17%下落

約4年半ぶりの47ペソ台上昇後に急反落と不安定

2021/03/02

 フィリピン銀行協会(BAP)のペソ対米ドル為替データによると、2021年2月末の終値は1米ドル=48.590ぺソで、前月末から0.510ペソ、率にして1.05%のペソ安となった。年初2カ月では、1.17%のペソ安だった。

 2月の終値ベースで最もペソ高となったのは15日の1米ドル=47.930ペソ。対外収支改善や外貨準備高の前年比大幅増加、地域隔離措置緩和の動き、新型コロナウイルスワクチン(ワクチン)開発進展報道などに反応、終値ベースでは、2016年9月21日の47.890ペソ以来、約4年5カ月ぶりのペソ高、47ペソ台への上昇となった。

 しかし2月後半は、新型コロナ変異種感染拡大懸念、ワクチン到着遅延や地域隔離措置緩和遅延観測、それに伴う景気回復の遅れ懸念が台頭、株式市場での外国人投資家の売り越し継続もあって、ペソは一転急反落、2月17日には約3カ月ぶりのペソ安、22日には約6カ月ぶりのペソ安水準である48.700ペソ(終値ベースでの2月の最安値)まで下落した。

 当面は、新型コロナ変異種感染やワクチン到着動向、インフレ率の動き、米国の金融政策などを睨む神経質な展開と予想する向きが多い。
 
 ペソ対米ドルレートの動き(年末値/月末値)
時期 年末・月末値 上昇率
2012年 41.050ペソ 6.80%
2013年 44.395ペソ -7.53%
2014年 44.720ペソ -0.73%
2015年 47.060ペソ -4.97%
2016年 49.720ペソ -5.35%
2017年 49.930ペソ -0.42%
2018年 52.580ペソ -5.04%
2019年 50.635ペソ 3.84%
2020年 48.023ペソ 5.44%
2021年 1月末 48.080ペソ -0.12%
2月末 48.590ペソ -1.05%
2カ月間 - -1.17%
(出所:フィリピン銀行協会資料より作成)