セブン銀行、比セブン-イレブンでATMサービス開始

日本のノウハウ導入、フィリピン初の紙幣還流型設置

2021/03/05

 セブン銀行(本社:東京都千代田区)は、3月4日、「フィリピン子会社のPito AxM Platform社(PAPI、本社:マカティ市)が、フィリピン最大手のコンビニエンスストアチェーンであるフィリピン-セブンの店舗にATM設置を開始、2月26日、ATM運営事業を開始した」と発表した。

 フィリピンでは、経済成長に伴い金融取引が増加し、国策による銀行口座の保有率も上昇するなか、ATM利用ニーズも高まりつつある。セブン銀行は2019年4月にフィリピンでのATM運営事業を推進するため子会社PAPI(資本金8,500万ペソ)を設立した。PAPIは、2020年2月、フィリピンでのセブン‐イレブン運営企業であるフィリピン セブン社(本社:マニラ首都圏マンダルヨン市)との間で、フィリピン国内のセブン‐イレブン店舗でのATM設置・運営・保守事業等の展開を目的とした業務提携契約を締結した。

 PAPIはこの契約に沿って、マニラ首都圏中心からフィリピン国内のセブン-イレブン店舗(2020年9月末で2,960店)へのATM設置を順次進めていく。2021年2月末時点での設置台数は11台となっている。フィリピン国内では初の紙幣還流型ATMを設置することで、利便性の高いサービス提供を目指していく。

 なお、ATM運営事業開始に伴い、フィリピン最大手銀行BDOユニバンク(本社:マカティ市)とATM提携を開始しており、順次提携銀行を拡大していく予定である。

 上記のとおり、フィリピンのセブン-イレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが52.216%(2020年9月末現在)を所有するフィリピン セブン社(PSC)によって運営されている。PSCは1982年11月に設立され、1998年2月にフィリピン証券取引所(PSE)に上場した。1984年2月にケソン市エドサ通り沿いに1号店オープン、その後店舗網拡充に注力、2013年末に1,000店の大台を突破、2019年末には2,864店、そして、2020年9月末に2,960店に達した。この店舗数や売上高はフィリピンのコンビニエンスストア業界の中で断トツである。PSCの現行資本金は10億5,000万ペソである。

 主な日本ブランドのコンビニ店舗数(年末・月末値、比セブン-イレブンやファミリーマートは資本的には非日系)
年・月 14年 15年 16年 17年 18年 19年 20年
3月  6月 9月 
セブン-イレブン 1,282 1,602 1,995 2,285 2,550 2,864 2,916 2,930  2,960 
ミニストップ 454 519 499 496 499 506 511 511  481 
ファミリーマート 87 120 99 66 69 76 76 75  75 
ローソン 0 16 29 31 38 60 65 65  65 
(出所:セブン-イレブンとミニストップは発表数値、ファミリーマートはウェブでの表示数、ローソンはウェブ等から推計)