サンミゲルビール、20年は36%減益も下期急回復

下期の純利益は上期比148%増の124億ペソ

2021/03/12

 サンミゲルグループの食品と飲料事業を大統合して発足したサンミゲルフード&ビバレッジ(SMFB)は3月11日、2020年通年(1月~12月)の決算速報を開示した。
 
 SMFB全体の純売上高は前年比(以下同様)10%減の2,793億ペソ、営業利益は30%減の334億ペソ、純利益は31%減の224億ペソと減収減益となった。

 特に上半期に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックによる厳格な地域ロックダウンや国内の様々な地域における酒類販売禁止措置により、業績が落ち込んだ。しかし、下半期は防疫措置の緩和に伴い、力強い回復を示し、下半期の純売上高は上半期比27%増の1,565億ペソ、営業利益は同94%増の220億ペソ、純利益は同105%増の151億ペソと急増した。
 
 ビール製造子会社サンミゲル ブリュワリー(SMB、サンミゲルビール)の通年の純売上高は前年比24%減の1,079億ペソ。営業利益は37%減の245億ペソ、純利益は36%減の175億ペソ。通年では減収減益だったが、防疫措置の緩和された下半期は純売上高が上半期比52%増の651億ペソ、営業利益は同132%増の171億ペソ、純利益は同148%増の124億ペソと大幅増となった。SMBには、キリン・ホールディングス(キリン)が約48%出資している。

 SMBの海外事業も2020年下半期に防疫措置が緩和されてから上向いた。香港、華南、ベトナム、その他輸出市場は前年を上回る利潤をあげた。

 一方、洋酒事業を展開するヒネブラ サンミゲル(GSMI)は、Covid-19パンデミックの中、2020年の販売量が前年を8%上回る3,860万ケースと好業績を維持した。純売上高は25%増の362億ペソ、純利益は65%増の28億ペソと過去最高を記録した。

 一方、食品部門サンミゲル フーズ(SMF)は地域封鎖の期間中、家庭消費の急増と在宅ライフスタイルへの移行に機敏に対応した。特に調理済みパッケージ食品分野は二桁の成長を示し、プロテイン事業など地域封鎖で影響を受けたセグメントの不振を緩和した。2020年のSMFの純売上高は3%減の1,352億ペソと小幅減にとどまった。営業利益は17%減の52億ペソ、純利益は17%減の29億ペソだった。