JFEエンジニアリング、比最大の下水処理施設受注

DMCIと共同、丸紅出資マイニラッドから105億ペソで

2021/03/19

 コンスンヒ財閥の旗艦企業であるDMCIホールディングス(PSE証券コード:DMC)は、3月18日、PSE回覧01735-2021号において、「傘下の建設企業であるDMコンスンヒ(DMCI)が、日本のJFEエンジニアリングと共同で、マイニラッド ウォーター サービス社(マイニラッド)から、フィリピン国内最大の下水処理施設を受注した。受注金額は105億ペソである」と公表した。

 今回、JFEエンジニアリングとDMコンスンヒが受注したのは、マイニラッドのマニラ首都圏のカロオカン-マラボン-ナボタス(CAMANA)の下水処理施設である。1日の処理能力は2億0,500万リットルで、2024年第3四半期に完工予定である。完工すると、国内最大の下水処理施設となり、カローカン南部、マラボン、ナバトスの約120万世帯が恩恵を受ける。また、建設プロセスのピークである2023年第1四半期の雇用者数は1,000名に達すると試算されている。

 このCAMANA下水処理施設は、1980年代に建設されたマイニラッドのダガット-ダガタン下水処理プラント(1日の処理能力2,600万リットル)の修復・拡張・近代化であり、処理能力が飛躍的に増強される。DMコンスンヒにとって、最大の下水処理施設プロジェクト受注であるとともに、JFEエンジニアリングとの初の協働事業となる。

 なお、マイニラッド社は、1997年のフィリピン政府との民間委託契約(コンセッション契約)に基づき、マニラ首都圏上下水道局(MWSS)から引き継いだマニラ首都圏の西地区全17市区をサービスエリアとして、浄水や下水処理サービスの提供、上下水道管路網の維持管理、検針や料金徴収までを含むフルコンセッション事業を行っている。サービスエリア内の人口は、フィリピンの人口のおよそ一割に相当、単一コンセッション契約に基づく民間水道事業としては、サービスエリア内の人口規模において世界最大級である。

 現在マイニラッド社は、フィリピンの有力コングロマリットであるメトロ パシフィック インベストメンツ(MPIC)、DMCIホールディングス(DMCI)、丸紅との合弁企業となっている。出資比率はMPIC52.8%、DMCIホールディングス25.3%、丸紅20%。2020年の帰属純利益は15億4,000万ペソであった。

 一方、JFEエンジニアリングは、マニラ首都圏などにて数多くの上下水処理施設の工事実績を有している。2017年には、マイニラッドより、フィリピン最大(当時)のラメサ第1浄水場の更新工事を競争入札を経て受注している。都市化が進み上下水道プラントニーズが高まる東南アジアの大都市に、プラント建設の提案を一層推進するとともに、事業への出資も視野に入れ、同地域のインフラ整備に貢献して行く方針である。