コロナ新規感染、22日8千人突破し過去最高に

司法省や国軍本部など治安維持機関も一時封鎖

2021/03/23

 フィリピンにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の確認例は、3月22日、新たに8,019例増加した。これにより、22日現在で、累計67万1,792人になった。1日の感染者数8,019人は過去最高。

 死者は22日に4人増加し、累計で1万2,972人。現時点での死亡率は1.9%。一方、感染後の回復者数は累計57万7,850人で、感染者全体の86.0%が回復したと言える。また、マニラ首都圏のこれまでの感染確認例は累計で28万3,764人。

 感染検査件数に関しては、3月21日現在、サンプル検査数は累計で969万7,339件、そのうち個別検査数は912万9,627件。陽性率(累計)は8.2%(3月21日の陽性率は15.4%)だった。

 フィリピン外務省(DFA)発表によると、3月22日現在、在外フィリピン人(OF)のCOVID-19感染確認例は世界89カ国・地域で合計1万5,985例。死者は合計1,047人。回復者は合計9,700人、治療中が5,238人となっている。

 このような新型コロナ感染急増のなかで、重要な機関の封鎖が行われるようになった。マニラ市のパドレフォーラストリート沿いに立地するフィリピン司法省(DOJ)本部では、3月22日時点で、45名の新型コロナウイルス感染陽性者が確認され、閉鎖された。感染者が増えないようならば、3月24日から30%の容量でオンサイト業務を再開するが、抑制が見られなければ閉鎖が続くことになる。

 また、マニラ首都圏ケソン市のキャンプアギナルドが、21日午前8時からロックダウン(封鎖)されたと発表されている。この封鎖措置は、キャンプアギナルドで急増する新型コロナウイルス感染を抑制するためのものであるが、キャンプアギナルドでの感染者数や封鎖期限などは発表されていない。約170ヘクタールのキャンプアギナルドには、総司令部などフィリピン国軍(AFP)の本部機能が集まっている。

 治安維持の中枢機関ともいえる司法省や国軍本部の閉鎖・封鎖は、現在のフィリピンの新型コロナ感染の深刻さを象徴しているといえよう。下院議会も、今週半ばまで業務停止と発表している。

 このような状況対応すべく、一部地域の防疫措置が再厳格化されている。既に、マニラ首都圏では、3月15日から2週間、統一の夜間外出禁止令が施行されている。また、3月22日から4月4日まで、マニラ首都圏、ブラカン州、カビテ州、ラグーナ州、リサール州に追加的な行動制限策が導入された(詳細は別掲)。

 3月22日現在のASEANでの新型コロナ感染状況
国名 累計感染確認数 当日の増加数 累計回復者数 累計死者 当日の増加数 死亡率
フィリピン 671,792人 +8,019人 577,850人 12,972人 +4人 1.9%
インドネシア 1,465,928人 +5,744人 1,297,967人 39,711人 +161人 2.7%
マレーシア 334,156人 +1,116人 318,784人 1,238人 +5人 0.4%
ミャンマー 142,246人 +34人 131,763人 3,204人 +0人 2.3%
シンガポール 60,208人 +12人 60,051人 30人 +0人 0.0%
タイ 27,876人 +73人 26,663人 91人 +1人 0.3%
ベトナム 2,575人 +3人 2,233人 35人 +0人 1.4%
カンボジア 1,753人 +63人 967人 3人 +0人 0.2%
ブルネイ 206人 +0人 188人 3人 +0人 1.5%
ラオス 49人 +0人 45人 0人 +0人 0.0%
(出所:各種統計より作成)