比政府、初のゼロクーポンサムライ債を発行

3年物で550億円調達、幹事SMBC日興証券

2021/03/31

 フィリピン政府が、2年ぶりにサムライ債(円貨建て外債)を発行する。

 フィリピン財務局(BOT)は、3月30日、フィリピン共和国は第16回円貨債券(サムライ債)を発行すると発表した。今回のサムライ債は、3年物無担保ゼロクーポン債であり、年利0.001%相当、発行価格は99.28で、ベンチマークとのスプレッドは21ベーシスポイント(BPS)だけである。

 発行日は2021年4月13日、償還日は2024年4月12日である。発行額は当初300億円と予定されていたが、投資家の反応良好なことから550億円に増額された。調達資金は、新型コロナウイルス感染拡大で停滞しているフィリピン経済回復に充当される。SMBC日興証券が単独でリードマネージャーおよびブックランナーを務めている。

 今回のフィリピン政府サムライ債は、サムライ債市場で初のゼロクーポン方式発行となる。フィリピン政府は、2020年2月に、3年物のユーロ建てゼロクーポン債(発行額6億ユーロ)を発行しており、2年連続でのゼロクーポン外債発行となる。

 なお、フィリピン政府は、2019年8月15日に、2年連続でサムライ債を発行、920億円を調達した。2020年も発行予定であったが中止された。したがって、2年ぶりのサムライ債発行となる。