電気自動車「日産リーフ」、5月9日発売へ

近年シェア急上昇の比日産、完全EV投入

2021/04/27

 日産自動車(本社:神奈川県横浜市)のフィリピン販売拠点であるフィリピン日産(NPI、本社:マニラ首都圏ボニファシオ・グローバルシティ)が、5月9日、完全電気自動車(EV)「日産リーフ」を発売する見込み。現地自動車専門誌のトップギア・フィリピンが「日産リーフを5月9日に発売とのインビテーションレターを受領した」と報じた。

 NPIの名嶋篤史社長兼マネージング・ディレクターは、今年1月28日のバーチャル記者会見で、2021年内の「日産リーフ」導入計画推進方針を表明していた。ただし、比政府によるEVなどエコカー支援策発動が必要であるとも強調した。現時点では、エコカー支援策は導入されていないが、世界的なEV化の流れの中で、フィリピンでも発売に踏み切るようである。

 「日産リーフ」はワクワクするEVの走りや便利さを手頃な価格で提供する世界初の量産電気自動車として、2010年に発売された。当時はまだ、EVはニッチな製品とされていたが、今日では、次に購入するクルマとしてEVを検討する消費者が増え続けている。その中で「日産リーフ」はゼロエミッション車であることに加え、パワフルで俊敏な高い動力性能や「プロパイロット」などの高度な先進技術が顧客の支持を得るようになっている。

 「日産リーフ」がこれまでに世界で走行した距離は累計100億キロメートルを超えている。2010年に発売してからの「日産リーフ」の累計販売台数をもとに算出すると、1年あたり380万バレルに相当する石油を節約した計算になる。2018年に欧州でEVの販売台数1位となり、ノルウェーにおいては、EV以外の車種も含めた年間販売台数の第一位を獲得した。2017年にフルモデルチェンジした新型「リーフ」は、最高出力110kW、最大トルク320Nmを発生するなど、パフォーマンスを大幅に向上させている。

 フィリピンにおいては、トヨタ モーター フィリピン(TMP)が2009年央に、フィリピン初となるハイブリッド車(HV)「プリウス」を発売した。2012年1月には「プリウスC(日本名:アクア)」を、2019年9月には、カローラ・アルティスHV車を発売した。レクサス車販売会社であるレクサス・マニラも各種HVを投入してきている。2020年9月には、三菱モーターズ フィリピン(MMPC)が、プラグインハイブリッドEV「アウトランダーPHEV」を発売した。

 しかし、フィリピンでは本格的なエコカー優遇法案未成立などにより、HVなどエコカーは普通車に比べかなりの割高感を感じさせる販売価格の設定を余儀なくされている。したがって、現時点で販売台数は限定的なものとなっている。また、スタイルの良さなど省エネ以外のメリットのアピールにより販売促進を図らざるを得ない状況でもある。本格的なエコカー優遇法案などの成立が待たれるところである。