株価4カ月間で10.8%下落、半年ぶりの安値水準に
不動産株16%急落、外国人ほぼ全営業日売り越し
2021/05/03
フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の2021年4月末終値は6,370.87ポイントとなり、前月末と比べて1.12%低下、4カ月間では10.77%低下した。
4月は、新型コロナ感染者の再増加や変異種感染拡大、それに伴うマニラ首都圏等における厳しい地域隔離措置の継続、インフレ率が4%台と高水準で推移していること、外国人投資家が全営業日売り越したことなどで続落。4月27日には、終値ベースで、2020年11月3日の6,335.56ポイント以来約半年ぶりの安値となる6,356.47ポイントまで下落した。一方、終値ベースでの月間最高値は7日の6,651.71ポイントであった。
年初4カ月間では、厳しい外出・移動制限にもかかわらず新型コロナ感染者数が増加していること、ワクチン接種の遅れ、外国人投資家の連日の売り越し、主要市場で上昇の牽引役となっている有力IT株やバイオ関連株がPSEには上場していないことなどによる手掛かり難等で二桁の下落率となった。4カ月間の大分類セクター別の指数動向については、鉱業・石油株(+1.22%)以外は全て下落した。下落率の大きい順に、不動産株(-16.01%)、持株会社株(-12.42%)、工業株(-7.60%)、サービス業株(-4.69%)、金融株(-3.69%)。鉱業・石油株はニッケルなどの国際市況上昇が好感された。
4カ月間の1日当たり平均売買額は前年同期比50.8%増の97億0,600万ペソであった。外国人投資家の売り越し額は同28.4%増の615億8,800万ペソに達した。上記のように、4月は全営業日売り越し、第1四半期も買い越しが9営業日のみとほぼ毎日の売り越しとなった。外国人の売買額シェアは27%で、前年同期(54%)から半減した。
PSE時価総額は22.3%増の15兆3,820億ペソ、そのうち国内企業時価総額が12兆1,269億ペソであった。なおPSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は22.29倍で、業績悪化などにより前年同月末の11.79倍から大幅上昇した。前年末の24.88倍からは株価下落により若干低下した。
PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成、株価収益率はPSE基準算出数値)
4月は、新型コロナ感染者の再増加や変異種感染拡大、それに伴うマニラ首都圏等における厳しい地域隔離措置の継続、インフレ率が4%台と高水準で推移していること、外国人投資家が全営業日売り越したことなどで続落。4月27日には、終値ベースで、2020年11月3日の6,335.56ポイント以来約半年ぶりの安値となる6,356.47ポイントまで下落した。一方、終値ベースでの月間最高値は7日の6,651.71ポイントであった。
年初4カ月間では、厳しい外出・移動制限にもかかわらず新型コロナ感染者数が増加していること、ワクチン接種の遅れ、外国人投資家の連日の売り越し、主要市場で上昇の牽引役となっている有力IT株やバイオ関連株がPSEには上場していないことなどによる手掛かり難等で二桁の下落率となった。4カ月間の大分類セクター別の指数動向については、鉱業・石油株(+1.22%)以外は全て下落した。下落率の大きい順に、不動産株(-16.01%)、持株会社株(-12.42%)、工業株(-7.60%)、サービス業株(-4.69%)、金融株(-3.69%)。鉱業・石油株はニッケルなどの国際市況上昇が好感された。
4カ月間の1日当たり平均売買額は前年同期比50.8%増の97億0,600万ペソであった。外国人投資家の売り越し額は同28.4%増の615億8,800万ペソに達した。上記のように、4月は全営業日売り越し、第1四半期も買い越しが9営業日のみとほぼ毎日の売り越しとなった。外国人の売買額シェアは27%で、前年同期(54%)から半減した。
PSE時価総額は22.3%増の15兆3,820億ペソ、そのうち国内企業時価総額が12兆1,269億ペソであった。なおPSE算出のPSE取引所指数ベースの株価収益率(PER)は22.29倍で、業績悪化などにより前年同月末の11.79倍から大幅上昇した。前年末の24.88倍からは株価下落により若干低下した。
PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% |
2013年 | 5,889.83ポイント | 1.33% |
2014年 | 7,230.57ポイント | 22.76% |
2015年 | 6,952.08ポイント | -3.85% |
2016年 | 6,840.64ポイント | -1.60% |
2017年 | 8,558.42ポイント | 25.11% |
2018年 | 7,466.02ポイント | -12.76% |
2019年 | 7,815.26ポイント | 4.68% |
2020年 | 7,139.71ポイント | -8.64% |
2021年 1月末 | 6,612.62ポイント | -7.38% |
2月末 | 6,794.86ポイント | 2.76% |
3月末 | 6,443.09ポイント | -5.18% |
4月末 | 6,370.87ポイント | -1.12% |
4カ月間 | - | -10.77% |
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
項目 | 18年 | 19年 | 20年 | 21年4月末 | 4カ月間上昇率 |
フィリピン証券取引所指数 | -12.76% | 4.68% | -8.64% | 6,370.87 | -10.77% |
全株指数 | -9.46% | 2.92% | -8.11% | 3,923.03 | -8.18% |
金融株指数 | -20.19% | 4.71% | -22.32% | 1,394.23 | -3.69% |
工業株指数 | -2.49% | -12.02% | -2.51% | 8,679.35 | -7.60% |
持株会社株指数 | -14.79% | 3.41% | -3.13% | 6,441.31 | -12.42% |
不動産株指数 | -8.80% | 14.51% | -11.80% | 3,077.94 | -16.01% |
サービス業株指数 | -10.94% | 6.13% | -1.11% | 1,443.11 | -4.69% |
鉱業・石油株指数 | -28.71% | -1.32% | 17.75% | 9,644.29 | 1.22% |
フィリピン証券取引所の推移(年末・年間値)
項目 | 17年 | 18年 | 19年 | 20年 | 21年4月末 |
フィリピン証券取引所指数 | 8,558.42 | 7,466.02 | 7,815.26 | 7,139.71 | 6,370.87 |
年末時価総額(億ペソ) | 175,831 | 161,467 | 167,053 | 158,889 | 153,820 |
国内企業時価総額 | 144,908 | 135,437 | 139,468 | 130,994 | 121,269 |
外国企業時価総額 | 30,923 | 26,030 | 27,585 | 27,895 | 32,551 |
1日平均売買額(億ペソ) | 81 | 71 | 73 | 73 | 97 |
外国人の売買額シェア | 50% | 51% | 55% | 45% | 27% |
外国人買越額(億ペソ) | 562 | -609 | -145 | -1,287 | -616 |
PER(株価収益率) | 22.27倍 | 17.89倍 | 16.52倍 | 24.88倍 | 22.29倍 |