3月の包括的OFW送金額、5.6%増の28億ドルに
2カ月連続増、第1四半期2.9%増、年間で4%増期待
2021/05/18
フィリピン中央銀行(BSP)対外収支データによると国際通貨基金(IMF)の「国際収支国際投資ポジションマニュアル」(BPM第6版)に準拠した包括的OFW送金データ(銀行経由現金送金+帰国時持参分+非現金型資産贈与含む)によると、2021年3月の包括的フィリピン人海外就労者(OFW)本国送金額(速報値)は前年同月比5.6%増の28億0,100万米ドル、2カ月連続で前年同月比増加。雇用契約が1年以上の陸上ベースのOFWからの送金額が5.0%増の21億1,500万米ドルと増加し成長を支えた。
2021年第1四半期(1月~3月)では前年同期比2.9%増の84億5,400万米ドルと増加した。OFW送金は依然としてフィリピンの主要な外貨流入源である。
包括的OFW送金額 (単位:百万米ドル、対前年伸び率:%)
(出所:BSP資料より作成)
月別包括的OFW送金額推移 (単位:百万米ドル、対前年同月伸び率:%)
(出所:BSP資料より作成、2020-21年は速報値)
一方、中央銀行が把握している公式銀行ルートによるOFW現金送金額(速報値)に関しては、2021年3月は前年同月比4.9%増の25億1,400万米ドル。陸上ベースのOFWからの送金額が5.0%増の19億4,800万米ドルと増加し成長に寄与した。
2021年第1四半期では、前年同期比2.6%増の75億9,300万米ドル。そのうち、陸上ベースのOFWからの送金額は3.2%増の59億7,500万米ドル、海上ベースのOFWからは0.3%増の16億1,700万米ドルであった。
第1四半期の送金元の国別動向については、1位が米国で前年同期比7.3%増の30億9,700万米ドル(シェア40.8%)、2位シンガポールの9.6%増の5億4,700万米ドル(7.2%)、3位サウジアラビアの5.6%減の4億3,800万米ドル(5.8%)、4位日本の15.3%減の3億6,900万米ドル(4.9%)、5位英国の1.6%減の3億4,400万米ドル(4.5%)、6位アラブ首長国連邦(UAE)の7.3%減の3億1,800万米ドル(4.2%)、7位カナダの2.1%増の2億3,900万米ドル(3.2%)、8位カタールの19.4%減の1億9,900万米ドル(2.6%)、9位台湾の13.7%増の1億9,400万米ドル(2.6%)、10位マレーシアの106.5%増の1億9,400万米ドル(2.6%)。これら10カ国で送金全体の78.2%を占めた。
なお、OFW送金額(長期間の記録の残る銀行経由経由ベース)は2002年から2019年まで18年連続で前年比増加、2003年からは17年連続で過去最高額を更新、2015年までの13年連続での経常収支黒字の立役者となった。しかし上記のように、2020年に関しては、新型コロナウイルス感染拡大などの影響で、2001年の0.3%減少以来、19年ぶりの減少となった。ただし、年後半にかけては回復基調となり、2021年第1四半期は、上記のようにプラスとなっている。中央銀行は、2021年年間で4%増加すると予想している。
OFWからの銀行経由送金額推移 (単位:百万米ドル、対前年伸び率:%)
(出所:BSP資料より作成、2020年は速報値)
月別OFWからの銀行経由送金額推移 (単位:百万米ドル、対前年同月伸び率:%)
(出所:BSP資料より作成、2020-21年は速報値)
2021年第1四半期(1月~3月)では前年同期比2.9%増の84億5,400万米ドルと増加した。OFW送金は依然としてフィリピンの主要な外貨流入源である。
包括的OFW送金額 (単位:百万米ドル、対前年伸び率:%)
項目 | 年間推移 | 1-3月 | |||||
年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 20年 | 21年 |
送金額 | 29,706 | 31,288 | 32,213 | 33,467 | 33,194 | 8,218 | 8,454 |
伸び率 | 4.9 | 5.3 | 3.0 | 3.9 | -0.8 | 1.5 | 2.9 |
月別包括的OFW送金額推移 (単位:百万米ドル、対前年同月伸び率:%)
年 | 2020年 | 2021年 | |||||||||||
月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
送金額 | 2,652 | 2,276 | 2,341 | 2,737 | 3,085 | 2,756 | 2,888 | 3,044 | 2,643 | 3,205 | 2,895 | 2,759 | 2,801 |
伸び率 | -5.2 | -16.1 | -19.2 | 7.6 | 7.6 | -4.2 | 9.1 | 2.5 | 0.1 | -0.3 | -1.7 | 5.2 | 5.6 |
一方、中央銀行が把握している公式銀行ルートによるOFW現金送金額(速報値)に関しては、2021年3月は前年同月比4.9%増の25億1,400万米ドル。陸上ベースのOFWからの送金額が5.0%増の19億4,800万米ドルと増加し成長に寄与した。
2021年第1四半期では、前年同期比2.6%増の75億9,300万米ドル。そのうち、陸上ベースのOFWからの送金額は3.2%増の59億7,500万米ドル、海上ベースのOFWからは0.3%増の16億1,700万米ドルであった。
第1四半期の送金元の国別動向については、1位が米国で前年同期比7.3%増の30億9,700万米ドル(シェア40.8%)、2位シンガポールの9.6%増の5億4,700万米ドル(7.2%)、3位サウジアラビアの5.6%減の4億3,800万米ドル(5.8%)、4位日本の15.3%減の3億6,900万米ドル(4.9%)、5位英国の1.6%減の3億4,400万米ドル(4.5%)、6位アラブ首長国連邦(UAE)の7.3%減の3億1,800万米ドル(4.2%)、7位カナダの2.1%増の2億3,900万米ドル(3.2%)、8位カタールの19.4%減の1億9,900万米ドル(2.6%)、9位台湾の13.7%増の1億9,400万米ドル(2.6%)、10位マレーシアの106.5%増の1億9,400万米ドル(2.6%)。これら10カ国で送金全体の78.2%を占めた。
なお、OFW送金額(長期間の記録の残る銀行経由経由ベース)は2002年から2019年まで18年連続で前年比増加、2003年からは17年連続で過去最高額を更新、2015年までの13年連続での経常収支黒字の立役者となった。しかし上記のように、2020年に関しては、新型コロナウイルス感染拡大などの影響で、2001年の0.3%減少以来、19年ぶりの減少となった。ただし、年後半にかけては回復基調となり、2021年第1四半期は、上記のようにプラスとなっている。中央銀行は、2021年年間で4%増加すると予想している。
OFWからの銀行経由送金額推移 (単位:百万米ドル、対前年伸び率:%)
項目 | 年間推移 | 1-3月 | |||||
年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 20年 | 21年 |
送金額 | 26,900 | 28,060 | 28,943 | 30,133 | 29.903 | 7,403 | 7,593 |
伸び率 | 5.0 | 4.3 | 3.1 | 4.1 | -0.8 | 1.4 | 2.6 |
月別OFWからの銀行経由送金額推移 (単位:百万米ドル、対前年同月伸び率:%)
年 | 2020年 | 2021年 | |||||||||||
月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
送金額 | 2,397 | 2,046 | 2,106 | 2,465 | 2,783 | 2,483 | 2,601 | 2,747 | 2,379 | 2,890 | 2,603 | 2,476 | 2,514 |
伸び率 | -4.7 | -16.2 | -19.3 | 7.7 | 7.8 | -4.1 | 9.3 | 2.9 | 0.3 | -0.4 | -1.7 | 5.0 | 4.9 |