不動産企業、第1四半期総じて大幅減益
不振の昨年から更に悪化、株価も大幅下落
2021/05/25
フィリピン証券取引所(PSE)上場の不動産企業の2020年年次報告書や2021年第1四半期の事業報告書提出がほぼ出揃ってきた。主要不動産企業の収益・資産動向は下表のとおりである(個別企業の動向は既にレポート済み)。
2020年は新型コロナウイルス感染拡大やその対策としての地域隔離措置が不動産業界に大きな打撃を与えた。ショッピングモールの一時閉鎖、ソーシャルディスタンス措置の営業活動妨げ、外国人投資家のフィリピン入国制限などが響き、今回集計12社全てが大幅減収減益決算となった。急成長を続けてきたダブルドラゴン プロパティーズ(証券コード:DD)も上半期時点では増収増益であったが、通年では大幅減収減益となった。
フィリピン最大級の不動産企業であるアヤラランド(証券コード:ALI)、2019年まで10年連続での最高益更新を続けてきたが、2020年は43%減収74%減益であった。アヤラランドと首位を争う総合不動産企業であり最大のショッピングモール開発企業であるSMプライム ホールディングス(証券コード:SMPH)も31%減収、53%減益となった。
2021年第1四半期(1月~3月)も、新型コロナウイルス感染再拡大やマニラ首都圏等の地域隔離措置の再厳格化などの影響で、各社の業績は総じて低調に推移している。カジノリゾート「ソレア」の大家であるベルコープ(証券コード:BEL)以外、11社が減益となっている。アヤラランドは36%減益、SMPHが22%減益と、トップ企業2社ともに、二桁減益となった。
業績不振を背景に、不動産各社の株価が非常に軟調に推移している。PSEにおける不動産セクター指数は2020年に11.8%下落(PSE指数は8.7%下落)、2021年年初からの5カ月半では18.1%下落(PSE指数は13.2%下落)。すなわち、2020年以降の不動産セクター指数の下落率は、相場全体の下落率を大幅に上回っている。
主要不動産企業の2021年第1四半期決算動向(単位:百万ペソ)
(出所:各社の事業報告書などより作成)
主要不動産企業の2020年決算動向(単位:百万ペソ)
(出所:各社の事業報告書などより作成)
2020年は新型コロナウイルス感染拡大やその対策としての地域隔離措置が不動産業界に大きな打撃を与えた。ショッピングモールの一時閉鎖、ソーシャルディスタンス措置の営業活動妨げ、外国人投資家のフィリピン入国制限などが響き、今回集計12社全てが大幅減収減益決算となった。急成長を続けてきたダブルドラゴン プロパティーズ(証券コード:DD)も上半期時点では増収増益であったが、通年では大幅減収減益となった。
フィリピン最大級の不動産企業であるアヤラランド(証券コード:ALI)、2019年まで10年連続での最高益更新を続けてきたが、2020年は43%減収74%減益であった。アヤラランドと首位を争う総合不動産企業であり最大のショッピングモール開発企業であるSMプライム ホールディングス(証券コード:SMPH)も31%減収、53%減益となった。
2021年第1四半期(1月~3月)も、新型コロナウイルス感染再拡大やマニラ首都圏等の地域隔離措置の再厳格化などの影響で、各社の業績は総じて低調に推移している。カジノリゾート「ソレア」の大家であるベルコープ(証券コード:BEL)以外、11社が減益となっている。アヤラランドは36%減益、SMPHが22%減益と、トップ企業2社ともに、二桁減益となった。
業績不振を背景に、不動産各社の株価が非常に軟調に推移している。PSEにおける不動産セクター指数は2020年に11.8%下落(PSE指数は8.7%下落)、2021年年初からの5カ月半では18.1%下落(PSE指数は13.2%下落)。すなわち、2020年以降の不動産セクター指数の下落率は、相場全体の下落率を大幅に上回っている。
主要不動産企業の2021年第1四半期決算動向(単位:百万ペソ)
企業名 | 収入 | 伸び率 | 帰属純利益 | 伸び率 | 総資産 | 純資産 |
アヤラランド | 24,634 | -13.3% | 2,779 | -35.7% | 721,596 | 262,045 |
SMプライム | 21,040 | -19.7% | 6,477 | -22.2% | 728,252 | 316,827 |
ロビンソンズランド | 16,667 | 35.2% | 2,894 | -8.5% | 208,399 | 105,644 |
メガワールド | 9,330 | -35.2% | 2,362 | -32.6% | 369,040 | 205,332 |
ビスタランド | 9,202 | -10.4% | 1,993 | -14.7% | 281,976 | 107,778 |
フィルインベストランド | 4,355 | -19.0% | 736 | -45.4% | 180,582 | 75,151 |
ロックウェルランド | 3,161 | -1.7% | 521 | -20.3% | 62,301 | 25,204 |
センチュリープロパティーズ | 2,078 | -25.9% | 142 | -39.5% | 55,922 | 21,335 |
ダブルドラゴン | 1,518 | -20.7% | 206 | -61.7% | 131,437 | 59,232 |
ベルコープ | 1,297 | -8.6% | 744 | 85.0% | 50,005 | 31,001 |
シャンプロパティーズ | 1,177 | -42.4% | 386 | -37.3% | 63,116 | 41,925 |
セブホールディングス | 457 | -65.1% | 61 | -82.9% | 28,812 | 9,806 |
主要不動産企業の2020年決算動向(単位:百万ペソ)
企業名 | 収入 | 伸び率 | 帰属純利益 | 伸び率 | 総資産 | 純資産 |
アヤラランド | 96,273 | -43.0% | 8,727 | -73.7% | 721,494 | 260,179 |
SMプライム | 81,899 | -30.8% | 18,007 | -52.7% | 722,359 | 310,718 |
メガワールド | 39,273 | -36.6% | 9,886 | -44.9% | 375,690 | 212,530 |
ビスタランド | 31,256 | -27.1% | 6,056 | -46.2% | 284,057 | 105,680 |
ロビンソンズランド | 25,405 | -16.9% | 5,264 | -39.4% | 215,201 | 102,718 |
フィルインベストランド | 16,223 | -32.5% | 3,733 | -40.6% | 181,005 | 74,379 |
ダブルドラゴン | 14,262 | -29.4% | 4,184 | -52.6% | 120,906 | 49,060 |
センチュリープロパティーズ | 10,836 | -24.3% | 796 | -37.9% | 53,009 | 21,131 |
ロックウェルランド | 10,737 | -31.7% | 1,079 | -63.5% | 61,935 | 24,862 |
シャンプロパティーズ | 6,220 | -45.3% | 1,470 | -51.9% | 63,170 | 41,674 |
ベルコープ | 4,173 | -44.1% | 1,001 | -61.6% | 49,956 | 30,434 |
セブホールディングス | 2,933 | -38.9% | 392 | -76.4% | 29,049 | 12,477 |