5月の株価4%上昇、27日の5%急騰でプラス圏に浮上
売り材料多く一時は7カ月ぶり安値に、5カ月間で7.2%下落
2021/06/02
フィリピンの代表的株価指数であるフィリピン証券取引所指数(PSEi)の2021年5月末終値は6,628.49ポイントとなり、前月末と比べて4.04%上昇した。基調としては弱気相場が続いていたが、5月27日の5.10%急騰により、月間で上昇という結果となった。
5月は新型コロナワクチン接種の遅れ、インフレ率が4%台で高止まりしていること、第1四半期のGDP成長率がマイナス4.2%であったことなどへの懸念で下落する日が多かった。米国金融緩和政策の早期転換観測が浮上したこと、モンデ ニッシンによる過去最大のIPOに応ずるための保有株式換金売り、国際的な機関投資家が運用のベンチマークとして採用しているモルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)指数の定期再構築(リバランス)に伴う売却の動きも加わったことで、24日には、終値ベースで2020年10月20日の6、112.71ポイント以来、約7カ月ぶりの安値である6,164.89ポイントまで下落した。
その後は、27日のMSCI指数のリバランス通過に伴う需給改善期待、モンデ ニッシンの大型IPO完了に伴う既存株式の換金売りの動きが鎮静化したこと、S&Pがフィリピン格付を「BBB+」に据え置いたことへの安心感などを背景に、国内投資家による押し目買いの動きが強まったことで反発につながり、28日には、終値ベースで今年3月12日以来約2カ月半ぶりの高値となる6,674.51ポイントをつけた。
PSEiは年初5カ月間では7.16%の下落となっている。厳しい外出・移動制限にもかかわらず新型コロナ感染者数が増加していること、ワクチン接種の遅れ、外国人投資家の大幅売り越し売り越し、主要市場で上昇の牽引役となっている有力IT株やバイオ関連株がPSEには上場していないことなどによる手掛かり難等で弱気相場が続いている。
5カ月間の大分類セクター別の指数は軒並み下落した。下落率の大きい順に、不動産株(-11.98%)、持株会社株(-8.79%)、工業株(-4.85%)、金融株(-2.00%)、サービス業株(-1.35%)、鉱業・石油株(-1.23%)。
5カ月間の1日当たり平均売買額は前年同期比47%増の約92億ペソであった。外国人投資家の売り越し額は同27%増の729億ペソに達した。外国人投資家の買い越し日は、第1四半期が9営業日のみ、4月はゼロ(全営業日売り越し)、5月が3営業日のみとほぼ毎日の売り越しとなっている。外国人の売買額シェアは31%で、前年同期の54%から急低下している。
PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
(出所:フィリピン証券取引所資料より作成)
5月は新型コロナワクチン接種の遅れ、インフレ率が4%台で高止まりしていること、第1四半期のGDP成長率がマイナス4.2%であったことなどへの懸念で下落する日が多かった。米国金融緩和政策の早期転換観測が浮上したこと、モンデ ニッシンによる過去最大のIPOに応ずるための保有株式換金売り、国際的な機関投資家が運用のベンチマークとして採用しているモルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)指数の定期再構築(リバランス)に伴う売却の動きも加わったことで、24日には、終値ベースで2020年10月20日の6、112.71ポイント以来、約7カ月ぶりの安値である6,164.89ポイントまで下落した。
その後は、27日のMSCI指数のリバランス通過に伴う需給改善期待、モンデ ニッシンの大型IPO完了に伴う既存株式の換金売りの動きが鎮静化したこと、S&Pがフィリピン格付を「BBB+」に据え置いたことへの安心感などを背景に、国内投資家による押し目買いの動きが強まったことで反発につながり、28日には、終値ベースで今年3月12日以来約2カ月半ぶりの高値となる6,674.51ポイントをつけた。
PSEiは年初5カ月間では7.16%の下落となっている。厳しい外出・移動制限にもかかわらず新型コロナ感染者数が増加していること、ワクチン接種の遅れ、外国人投資家の大幅売り越し売り越し、主要市場で上昇の牽引役となっている有力IT株やバイオ関連株がPSEには上場していないことなどによる手掛かり難等で弱気相場が続いている。
5カ月間の大分類セクター別の指数は軒並み下落した。下落率の大きい順に、不動産株(-11.98%)、持株会社株(-8.79%)、工業株(-4.85%)、金融株(-2.00%)、サービス業株(-1.35%)、鉱業・石油株(-1.23%)。
5カ月間の1日当たり平均売買額は前年同期比47%増の約92億ペソであった。外国人投資家の売り越し額は同27%増の729億ペソに達した。外国人投資家の買い越し日は、第1四半期が9営業日のみ、4月はゼロ(全営業日売り越し)、5月が3営業日のみとほぼ毎日の売り越しとなっている。外国人の売買額シェアは31%で、前年同期の54%から急低下している。
PSE指数(PSEi)の推移(年末値/月末価)
時期 | 年末・月末値 | 上昇率 |
2012年 | 5,812.73ポイント | 32.95% |
2013年 | 5,889.83ポイント | 1.33% |
2014年 | 7,230.57ポイント | 22.76% |
2015年 | 6,952.08ポイント | -3.85% |
2016年 | 6,840.64ポイント | -1.60% |
2017年 | 8,558.42ポイント | 25.11% |
2018年 | 7,466.02ポイント | -12.76% |
2019年 | 7,815.26ポイント | 4.68% |
2020年 | 7,139.71ポイント | -8.64% |
2021年 1月末 | 6,612.62ポイント | -7.38% |
2月末 | 6,794.86ポイント | 2.76% |
3月末 | 6,443.09ポイント | -5.18% |
4月末 | 6,370.87ポイント | -1.12% |
5月末 | 6,628.49ポイント | 4.04% |
5カ月間 | - | -7.16% |
フィリピン証券取引所のセクター別株価指数上昇率
項目 | 18年 | 19年 | 20年 | 21年5カ月間 | 21年5月末終値 |
フィリピン証券取引所指数 | -12.76% | 4.68% | -8.64% | -7.16% | 6,628.49 |
全株指数 | -9.46% | 2.92% | -8.11% | -5.85% | 4,022.83 |
金融株指数 | -20.19% | 4.71% | -22.32% | -2.00% | 1,418.67 |
工業株指数 | -2.49% | -12.02% | -2.51% | -4.85% | 8,937.59 |
持株会社株指数 | -14.79% | 3.41% | -3.13% | -8.79% | 6,708.50 |
不動産株指数 | -8.80% | 14.51% | -11.80% | -11.98% | 3,225.42 |
サービス業株指数 | -10.94% | 6.13% | -1.11% | -1.35% | 1,493.63 |
鉱業・石油株指数 | -28.71% | -1.32% | 17.75% | -1.23% | 9,410.82 |