比医薬品市場規模46億ドル、日本企業誘致方針

投資委員会、関西医薬品協会に事業機会提示

2021/06/07

 フィリピン投資委員会(BOI)は、6月4日、日本の製薬企業のフィリピン進出、フィリピンへの投資を強く働きかけていると表明した。

 貿易産業省(DTI)次官兼BOI副会長兼マネージングヘッドのセフェリーノ・ロドルフォ氏は、このほど、関西医薬品協会(KPIA、所在地:大阪市中央区伏見町)と面談、「フィリピンは、健康保険制度や医療制度が充実し、公衆衛生分野の投資拡大を継続している日本のような交際的パートナーの重要性を認識している。そして、フィリピン市場は日本の製薬企業にとって魅力的な市場であるばかりでなく、輸出のための生産拠点となりうる」と説明した。

 そして医薬品生産だけでなく、R&D、新薬開発、新型コロナウイルスワクチンや治療薬、バイオ医薬品開発などの分野でのパートナーシップを強化できるとコメントした。また、フィリピンは、糖尿病、高血圧、腎臓、心臓病、癌などの成人病羅患率が高く、日本の製薬企業の技術力やノウハウが高度に活用出来る市場であると強調した。

 ロドルフォ氏によると、フィリピンの医薬品市場規模は約46億米ドル、製薬メーカー46社、医薬品輸入企業650社、国内販売企業約4,800社が存在している。また、フィリピンは医薬品原薬(API)の輸入大国であり、APIの98%は輸入に依存している。2015 年から 2019年の間に、API の輸入は15% 増加したとのことである。現在、フィリピン証券取引所(PSE)に上場している製薬企業は、ユーロメッド ラボラトリーズ フィルズ(証券コード:EURO)のみである。

 なお、関西医薬品協会は、1948年7月に大阪医薬品協会として設立され、2018年1月1日に関西医薬品協会(関薬協)に名称変更した医薬品関連の業界団体である。関西の強みを活かし、会員をはじめとする様々なステークホルダー との緊密な連携、相互理解及び啓発によって会員共通の利益を増進し、医薬品関連産業の健全な発展を通じて、健康長寿社会の実現に貢献することを目的とする地域団体である。主に関西に事業場を有する医薬品製造販売業者及び医薬品製造業者並びにそれらに関連する業務を行う300社余りで構成されており、地域別団体として日本製薬団体連合会に加盟している。