為替:4年9カ月ぶりのペソ高、7日終値47.660ペソに

米国雇用統計における市場予想を下回る結果等に反応

2021/06/08

 2021年6月7日のペソ対米ドル終値は、1米ドル=47.660ペソで前営業日の47.750ペソから0.090ペソ続伸した。前週末6月4日に発表された5月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数の伸びが市場予想を下回ったことに伴い、米国の早期の量的金融緩和の縮小観測が一段と後退したことで、ペソ高ドル安となった。終値ベースでは、2016年9月14日の47.475ペソ以来、約4年9カ月ぶりのペソ高水準となった。

 これまでも、フィリピンの輸入減少に伴う対外収支改善傾向、国際的格付機関S&Pがフィリピン格付を「BBB+」に据え置いたことに対する安心感などを背景にペソ高基調となってきた。そして、上記のように米国の現行の金融緩和が長期化するとの観測が強まったことにくわえ、6月9日発表予定のフィリピン貿易統計において、輸入伸び悩みによる貿易収支改善傾向が確認されるとの予想も広がったことで、ペソ高ドル安の動きが加速した。

 6日の加重平均レートは、1米ドル=47.692ペソで、前営業日の47.800ペソから0.108ペソ続伸。出来高は、前営業日比1%増の7億2,400万米ドルであった。

 ペソ対米ドルレートの動き(単位:ペソ)
項目 当日 前営業日
年月日 2021年6月7日 2021年6月4日
 始 値 47.680 47.830
 高 値 47.650 47.730
 安 値 47.725 47.830
 終 値 47.660 47.750
 加重平均 47.692 47.800
 出来高(百万米ドル) $724.00 $718.10
(出所:フィリピン銀行協会資料より作成)